イシヅチサンショウウオに出会った日

桜も散ってすっかり新緑の季節。

言い換えると、“サンショウウオの季節”の終わりもそう遠くはないということ。

越冬幼生に限って言えば、年中見ることはできるだろう。

また、夏であっても真剣に探せば成体を確認することができるかもしれない。

けれど、釣りにも採集にも『旬』があって、その時季に一番輝く生き物を追っかけたいわけで。

その季節になったら自然と自分の気持ちがそちらに向いてしまうような、ね。

春、秋のタナゴ然り、梅雨のオオナマズ然り。

今の自分にとっての旬はもちろんサンショウウオ。

もう残り少ない期間かもしれないけれど最大限楽しみたいよね。


サンショウウオを探して四国へ!

そんな気持ちを抱えつつ、夜の瀬戸大橋をひた走る。

真っ暗なもんで景色もくそもない。

ただ、サンショウウオ探すために四国に渡る日が来るとは思ってもみなかった

目的は『イシヅチサンショウウオ

その名の通り、石鎚山を中心とした四国に分布するサンショウウオ。

以前まで『オオダイガハラサンショウウオ』とされていたが、

研究の結果、独立種となったもの。

近畿、九州に生息するオオダイガハラサンショウウオと並んで一度は見てみたかった。

しかし、案の定情報はなく、一からの開拓となる。

おまけに翌日は雨ときたから猶予は一日。

とりあえず一日フルで時間を使いたかったので、

深夜2時に出発して夜明けと同時に入渓。

現地に着いて最初に思ったこと。

谷が半端なく深い

いつもサンショウウオを探している場所とは比較にならない。

水辺にたどり着くだけで一苦労。

おまけに渓相もまったく違っていて、巨大な岩が連なっている。

結果から言うと、ここはダメだった。

出会った釣り人の方数人に聞き込み調査してみたけれど、見かけないとのこと。

というか「関心がないからわからん」、と。

まぁ、そうでしょうよ笑

気を取り直して本日二本目。

かなりの急斜面に位置する沢。

雰囲気は悪くない。

この沢を上り詰めた先に待っているものとは…。

ゲコだった。

かなりbigなゲコだった。

なんか奇妙な縁を感じたので「ヒッキー」と名付け、一緒に朝食を食べる。

短い時間だったけれど仲良くなれた気がした(一方的に)。

そんな友人に別れを告げ下山している途中、予期せぬ出会いがもう一つ。

骨ぇーーーーーーー!!

見事に除肉されている。

人が熱湯やら薬品やら使ってなんとか取り除くのだが、

自然の力はやっぱり凄いと感心させられる

しかし、惜しいことに下顎が無かった。

もし完品だったら一緒に下山していたことだろう。

かなり本題から脱線したが、残念ながらこの沢でも出会うことはなかった。

この後、幾度となく入渓して沢を探しまわった。

それでも一向に姿を見せない。

ちなみに、滑落すること数回、こけること数十回と満身創痍もいいところ。

「自分は何と戦っているんだろう」と疑問に思い始めた。

最後の最後に…..

夕暮れも間近で次が最後。

もう選んでいられる余裕もなく、目についた水辺に網だけ持って行く。

ウェーダーもカメラも持たなかった。

諦めと疲労が入り混じり、ほぼ無意識のまま石を持ち上げると…。

今まで何度も見てきたけれど、今日はまだ一度も見ていなかった姿。

緊張に手が震えながら網を入れる。

ここでしくじれば、最低の気分のまま帰路に就かなければならない。

数回の逃亡の末、網におさまったその姿を確認する。

すぐさまカメラを取りに走ったのは言うまでもない。

イシヅチサンショウウオ

越冬幼生。

最後の最後に出会えた本当にうれしい一匹。

予期せぬ出会いに感動

これで心置きなく四国を後にできる。

そう思って何の気なしに足元の石を退かした矢先、予想外の事態が。

水中で薄い青色を纏う一際大きな生き物。

なんと成体まで!

感無量。

今まで見てきた小型サンショウウオの中で一番デカい。

この大きさを伝えたくて手に乗せた写真を撮りたかったのだけれど、

暴れまわって何が何だか。

仕方がないので地面を歩く姿をカメラに収める。が、やはり上手くいかない。

一通り愛でて満足した後、「まさかいないだろう」と少し離れた石を動かすと….。

なんともう一匹!

おまけに幼生も多数観察できた!

ここまでくると、あまりにも出来過ぎていて帰りに事故に遭わないか心配になる。

実際、風が強まり落石と倒木も多く、“フラグ立ってる感”が否めなくなってきたので、

これ以上ない感動と達成感を抱きつつ、大きな橋を渡った。

最高の出会いに感謝。

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