絵に描いたような“ずんぐり体型”な魚、ホトケドジョウ。
一般的に目にする機会の多いマドジョウも十分愛嬌はあるけれど、
ホトケはその上をいく。個人的にそう思う。
そんなちょっと変わった風貌かつ推しメンのドジョウに会いに行ってみた。
ホトケドジョウ採集
ホトケドジョウはマドジョウと違って高水温に弱いので生息地も限られる。
どこにでも住めるわけではないし、
開発にはめっぽう弱いから絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。
そんな繁栄するにはちょっとハードゲームなホトケドジョウは案外身近な所に潜んでいる魚でもある。
意外と民家の近くにいるんです
今回訪れた滋賀県の場所も民家のほとりにある小さな水たまりのような場所。
ここは、湧水があって通年水温が一定なのでホトケドジョウが生息するにはもってこいなのだろう。
家が建てばもちろん、湧水の流れが変わるだけで無くなってしまう小場所だから、
いつまで観察できるかヒヤヒヤしている。
見てきた感じだと里山にある小さな溝や止水に近いような流れの緩い小川に多いので、
この場所はちょっとレアなパターンだ。
ホトケドジョウのいる湧水地
春から夏は水草が茂ってその間を行き来する姿を確認できるのだけど、
秋のこの時期は気持ちばかりの水草しかない。堆積した泥の上をカワニナがはい回っている。
そして、サワガニもこんばんは。
夏場は30℃を超える場所なのにサワガニは元気よく歩き回っているから、
やっぱり“湧水”は偉大だなと思う。
ホトケドジョウ、発見!
さてさて、本命のドジョウさんはと言うと……
発見!泥の上でモゴモゴしている。水草が枯れた状況だとそうするしかないよね。
昼間見るとそうでもないけれど夜は黄色っぽく光る体色がなかなか綺麗なもんです。
見渡すと大小さまざまなホトケドジョウが確認できる。
大きい個体で6cm、小さい個体は3cmぐらいかな?
このずんぐり体型、何度見ても…いい。実にぶさかわです。
しばらく観察していると流れてきた小さなミミズをハムハムと食べていた。
雑食性なのでミミズ以外にも藻類やベントス(底生生物)を普段は食べている。
食べ物にうるさくないのもいい。
一心不乱にミミズを引っ張りまわす姿にぶさかわ度UP。
ナガレホトケドジョウとの違い
同じホトケドジョウと言ってもナガレホトケドジョウの方が体型はスマート。
ぶさかわ度ではホトケに軍配が上がる。
また、ナガレには目から口にかけてアイシャドウばりの黒い線がはっきりと入るのも特徴。
ヒゲも長いしね。
生息環境も違っていてナガレの方がより山間の渓流域に生息している。
石もゴツゴツしていて、イワナなんかも住んでるそんな場所にも姿を見せる。
砂泥よりも石の隙間に身を潜める機会が多く、
そんな生息環境に対応した結果、細長くなったんじゃないかな。
知らんけど!
おわりに
この2年ぐらいは減るでも増えるでもなく、安定した生息状況のホトケドジョウ。
この先いつ無くなってもおかしくない小さな小さな場所ではあるけれど、
大事な生息環境なのでちょくちょく確認すべく足を運ぶ予定。
なんと言ってもこのぶさかわは後世に残す価値があると思うのですよ。