サンショウウオ飼育用の器材について

生き物の飼育は小学生以来。20年以上、いや30年近く生き物の飼育とは無縁だったが、小型サンショウウオに出会って愛が芽生え、飼育まで始めてしまった。「飼育方法そのもの」は管理人Kazuho氏にお任せするとして(下記の記事参照)、周辺器材について書いてみようと思う。

サンショウウオの飼育は簡単ではない

サンショウウオは飼育することが一般的ではないため、まだこれといった正攻法がないように思う。もしかしたらあるのかもしれないが、同じ種でも個体によって性格や行動パターンも違うので、1つの飼育方法・飼育器材が全ての個体に当てはまるかというと、そうでもない。

ただひとつ言えることは、相当な覚悟とともに大切に育てる義務があるということ。後述のワインセラーのように、相応の設備投資も必要になる。中途半端な気持ちで野外から連れてきたり、生息環境や習性すら知らないまま「なんか面白そうだから。」という理由だけでオークション等で購入することは避けた方がよい。

正解はない

これから紹介する器材や方法はあくまで筆者が個人的に実践している方法であり、正解というわけではない。むしろ間違っている可能性すらある。方法は人それぞれ。

ちなみに筆者は床材に腐葉土も使っているが、腐葉土はカビが発生しやすいのでサンショウウオ飼育にはあまり適さないというのが通説のようだ。でも腐葉土で飼育していた個体たちはとても元気。肌もピチピチ。腐葉土に潜りまくって楽しんでいるようにも見えた。

ひょっとすると天然の環境に近いからかも?もちろん、今もみんな元気だ。

個人的には腐葉土が天然の環境に近く、ベストだと感じている。

「タッパー投資家」と呼んでくれ

飼育容器にはタッパーを使っている。サンショウウオは個体にもよるが基本的にそれほど活発に動かないので、タッパーでも飼育できるそうだ。とはいえ、極力、大きなタッパーを使ってやりたいもの。タッパーには湿度をキープできるというメリットがあるようだ。

これまで形状や大きさの異なるタッパーをいくつ購入したのだろう。まさに試行錯誤である。各社のタッパーにやたら詳しくなってしまった。自分の名刺に「タッパー・コンサルタント」または「タッパー投資家」と謳っても過言ではあるまい。

サンショウウオ 飼育

おすすめはこのようにパッキンとストッパーがしっかりとしたもの。オーソドックスな蓋を引き剥がすタイプよりも、パッキンとストッパー付きタイプの方が抜群に取り回しがしやすいのだ。

サンショウウオ 飼育
蓋には通気用の穴を空ける。ガスコンロでニードルを加熱してブスリブスリとやれば比較的楽である。
サンショウウオ 飼育

これは最近発見した業務用の大型タッパー。サイズ感が太めのワインボトルくらいなので後述するワインセラーにもサイズ的にぴったり。タッパーとしては高額だが、おすすめの一品。

素焼き鉢・最強伝説

サンショウウオ 飼育

サンショウウオ飼育において絶対に外してはいけないのが素焼き鉢だと思う。水を吸収してひんやりと冷える。暑さが苦手なサンショウウオの憩いの場所になるわけだ。素焼きの上に乗っかってゆったりしている姿をよく見かける。 そして隠れ家にもなる。一石二鳥の最強アイテムだ。

ただし、このままでは使えない。何らかの方法でタッパーに収まる薄さに加工しなければならない。男らしく地面にたたき落として粉砕する方法が定番だが、博打以外の何物でもない気もする。今回は博打に負けて泣く泣く鉢を買いなおすことを回避できる方法。

サンショウウオ 飼育

まずは鉢植えを最低一昼夜、水に浸しておく。鉢がすっぽり浸かるようにする。

サンショウウオ 飼育

水から取り出し、ノコギリで一刀両断する。なんともサイコパスな写真。ちなみにノコギリは100円ショップで購入。なぜなら歯がボロボロになって4~5回で使えなくなるからだ。

サンショウウオ 飼育

これまた100円ショップで購入したペンチで底面をバキバキと割り、サンショウウオが出入りしやすいように仕上げる。

床材あれこれ

床材は前述の腐葉土と、赤玉土(小粒)を使っている。タッパーにいずれかを敷き、(腐葉土の場合はサンショウウオが掘り進められるよう厚めに敷いている)水で戻した水苔を敷く。最初は「水分が足りないのでは?」と思ったが、しっとりと湿っている程度がちょうどいいようだ(飼育する種にもよるとは思うが)。

本当は全て"黄金の勝ちパターン"である腐葉土にしたいところだが、コスト面で赤玉土も始めた。床材が完成したら素焼き鉢を置いて完成。

サンショウウオ 飼育
水足りなくない?と感じるくらいでよいらしい。飼育する種類によると思うけど。

サンショウウオは不衛生な環境に弱い、と先人たちが教えてくれたのでおよそ1か月に1回くらいのペースで床材を交換=古い床材は全て廃棄して新しい床材を用意している。水生傾向が強い種には浅い容器に水を入れて"風呂場"を用意しているが、週に2回は交換している。この運用が正しいかどうかは検証中。

水分の追加には下記の記事で紹介している「オイラー」が便利。

ワインセラーの真価は如何に?

サンショウウオに限らず、冷涼な気候を好む生き物を飼育する人々が夏場の飼育に利用しているのがワインセラー。冷蔵庫ほど温度が低くならないことがその理由だそうだ。これぞ現代。ワインセラーでクワガタやサンショウウオを飼育できる時代。それだけワインセラーが庶民にまで普及してきたということか。ちなみに、サンショウウオの飼育には15℃前後が良いらしい。

サンショウウオ ワインセラー
冷蔵庫のような安定感はない?

そんなワインセラーにも弱点が。外気温の影響を受けやすい点だ。筆者が導入したものは低価格品だからだろうか、取扱説明書には"外気温が20-26℃の環境でご使用ください”、とある。

しかし筆者が住む大阪の夏の暑さは半端ではないのだ。室内温度は余裕で30℃を超える。このような環境では説明書にある通り設定温度をキープできないようで、温度計を庫内に置いてみたところ、設定温度より5~7℃高くなってしまっていたこともあった。

幸い、庫内温度が25℃を超えるような事態は避けられたので、サンショウウオたちが死んでしまうことはなかった。腐葉土に埋まっている姿をよく見たので、腐葉土の中で暑さをやり過ごしていただけかもしれない。来夏もどう乗り切るか、今から検討が必要である。

保護のこと

サンショウウオの飼育については批判的な意見が多いことも事実。しかし思う。飼育しながら保護の意識も高めるべきだと。 一見すると真逆のことを言っているようだが、 魅力的な生き物を見て触れて、飼育したり写真を撮影したりすることを通じて、保護の意識が芽生えることも事実だ。

個人的には実物を見たことがない生き物に対して保護の意識を芽生えさせるのは難しいと思うのだ。飼育することでその生き物に関して何らかの知見を得て保護に役立てることもできるだろう。我々飼育者に課された重要なミッションだと感じている。

難しいミッションではあるが、これからも向き合っていくしかないと思うのだ。

コメント一覧
  1. ぐったり より:

    興味深く読ませていただきました。
    腐葉土の件、私も同意見です。いきなりカビたことはなく、むしろ赤玉土などの殺菌土の方が、一気にカビが広がる傾向があるように思いました。腐葉土は土壌菌の存在ゆえに、他のカビが侵入しにくいのではないかと思っています。
    ワインセラーは、どうしようかと以前から迷っていましたが、かなり使えそうですね。試してみます。
    しかし、ところで鉢をカットするくだりですが、ホムセンでレンタルできるディスクグラインダーなるものがあり、これなら鉢を固定さえすればかなり自在にカットできます。またこれは、金属製品や自然石でも、切れたりしますのでいろいろ便利です。
    仕事柄、気づいたもので、参考にしていただけると幸いです。

    • Kazuho Kazuho より:

      ぐったりさん

      コメントありがとうございます。

      腐葉土のメリットは検討の余地がありそうです。貴重なご意見ありがとうございます。ディスクグラインダーとは考えておりませんでした。参考にさせていただきますね。ありがとうございます。

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