淡水魚の中でも一風変わった雰囲気を持つ『オヤニラミ』

縄張り意識が強く、難しい面もありますが、

慣れると愛嬌をふりまいてとてもかわいい。

そんな個性あふれる魚を紹介したいと思います。


オヤニラミとは?

分布は主に西日本ですが関東にも移入しています。

自分がよく採集・観察するのは「岡山県」。

九州でもガサガサで捕ったことがあります。

河川の中・上流域に生息していて、

緩やかな流れの場所を好みます。

水草や石積み、テトラがある場所では姿をよく見かけますね。

肉食性で水生昆虫やエビ類、小魚が大好物。

性質は少し攻撃的な面もあって混泳には注意が必要です。

「食性」、「性質」は飼育する際に大きく影響するので、

頭の片隅にでも置いといてください。

オヤニラミの飼育環境

水槽は単独飼育であれば45cm以上。

複数飼育であれば60~90cmは必要になってきます。

冒頭にも書いた通り縄張り意識が強く、

狭い水槽で複数買うと喧嘩して消耗してしまいます。

水温は20~25℃。

高温耐性は高くないので、

30℃に迫ると危険信号。

クーラーを導入するか冷却ファンをまわす必要がでてきます。

底砂は川砂もしくは大磯砂が雰囲気によく合いますしオススメ。

岩の物陰や水草に隠れる習性があるので、

石や流木、塩ビパイプなど入れてあげると落ち着きます。

水草なんかもいいですね。

水質は綺麗にこしたことはないのですが、

めちゃくちゃシビアってわけでもないです。

45~60cm用の上部フィルターであれば問題ないでしょう。

投げ込み式フィルターはろ過能力が少し心配。

その場合は水替えの頻度を週1~2回にしたらOKです。

オヤニラミエサについて

エサは大きく分けて二種類あります。

「生き餌」「人工飼料」です。

生き餌は文字通り“生きている餌”で、

オヤニラミが普段から食べているものですね。

代表的なものは、

  • エビ類(ヌマエビ類、ザリガニ)
  • 魚類(小魚、メダカなど)
  • その他生物(水生昆虫、小型陸上昆虫)

特に好んで食べるのがエビ類。

自然下でもバクバク食べています。

入手方法も水草の周辺でガサガサするだけなのでお手軽。

魚類も嗜好性は高いです。

近所の川で捕獲して与えても良いですし、

そのような場所がなければ、

ホームセンターやペットショップでメダカを購入するのもありです。

値段は店にもよりけりですが、10~30円程。

また、安定供給という面では難ありですが、

小さな昆虫や生き物(ハエ、クモ、ミミズなど)も食べます。

次は人工飼料について。

これも文字通り人工的に作られた餌です。

栄養面も考えて作られているので、

栄養の偏りや不足も防ぐことができます。

ホームセンターやペットショップには必ずと言っていいほど置いてあるので、

生き餌と違って入手面で頭を抱えることもありません。

フレーク状やペレット状など形態は様々で、

オヤニラミはペレット状の餌が良いです。

メリットばかりに思う人工飼料ですが、

大きな欠点があります。

それは「餌付きにくい」こと。

普段食べているものとは形も違いますし、

動きもありません。

肉食魚の中には動かないものを餌と認識しない種類も多く、

人工飼料に餌付かせることは一つの関門と言えるでしょう。

とは言え、オヤニラミは比較的餌付きやすい種類なので、

それほど苦労することはありません。

人工飼料の中でも特にオススメなのが『カーニバル』。

嗜好性も高く餌付かせやすいです。

この餌で餌付かなかったオヤニラミはいません。

ヒカリ (Hikari) クレスト カーニバル ST 57g
クリエーター情報なし
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人工飼料の餌付かせ方

まず始めにやったことは多めの生き餌を水槽に入れてコンディションを回復させます。

採集物は痩せている個体も多いので食べれる分だけ。

水槽内で餌を食べ始めたら次はピンセットを使って生き餌(ヌマエビor小魚)をやります。

そうすると「ピンセットに付いているもの=餌」と認識するので、これをしばらく続けます。

そして頃合いを見計らって人工飼料(カーニバル)をピンセットでやると、

餌付かせることができます。

口に入れて吐く個体もいますが、

これは時間の問題なので何回もやっていればそのうち食べます。

加えて少し断食させるとより効果的です。

ダメだったら一段階前の手順に戻ったりして根気は要りましたが、

なんとかすべての個体を餌付かせることができました。

個体によっては何もせずとも人工飼料を食べる個体もいるんですけどね。

まぁ、それぞれに個性があって一筋縄ではいかないところも面白いですし、

懐いてくれた時はその分嬉しいものです。

混泳について

愛嬌のあるオヤニラミですが混泳に関しては注意が必要です。

縄張り意識が強く、同種間では激しいケンカをすることも。

今回は繁殖も考えて一時的に高密度で飼育した時のレポートです。

上の写真をご覧ください。

60cm水槽に5匹。

※繁殖を考えてこの数にしています。この飼育密度では短期間しか飼育しません。

問題が起これば即単独飼育に切り替えます。

通常では明らかに無理のある環境なのでオススメはしません。

最初、石や流木などの遮蔽物が少なかったようでケンカが起きてしまいました。

そこで塩ビパイプを投入したりしましたが、

あまり居着かず、流木周辺に個体が密集してあまり効果なし。

塩ビパイプをやめ、代わりに石を追加すると良く居着き、各自縄張りを作りました。

本来であれば高密度にすると縄張りを作ることが難しく、

お互いが干渉してケンカが起こりづらかったりします。

しかし、今回は縄張りを作りお互いに意識はしているものの、

干渉はせずケンカもほとんどしません。

赤丸が主な縄張り。

繁殖を考えての高密度飼育でしたが、

思いのほか上手くいった例です。

それでもストレスのかかりやすい環境には変わりないので、

やはり単独飼育をおススメします。

他魚種との混泳について

我が家の同居人と相性がコチラ。

○・・・シマドジョウ(大型)、カジカ、アカザ、ギギ

△・・・カネヒラ(威嚇されることがあるが基本無視。ただ、おすすめはできない)

我が家のオヤニラミに限定して書いております

縄張り意識が強い魚なので遮蔽物を入れようが何しようがケンカする時もあります。

基本的に単独飼育が○。

どうしても混泳したい場合は、

遊泳層の被らない底もの(ドジョウ類)が良いと思います。


おわりに

少々気難しい面もありますが、

慣れると非常に愛嬌のある魚「オヤニラミ」。

「飼育してみたい!」

と思う方の少しでも参考になれば幸いです。

また、魚の性質を知ってもらうことで、

「飼いきれないから放流」

なんてことが少しでも減ればと思います。

記事内で紹介されたおすすめアイテム

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より詳しいオヤニラミの飼い方と飼育設備はこちら!

オヤニラミの飼い方や飼育設備、繁殖方法、入手方法など、より詳しい情報はこちらの記事がおすすめです。

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