暖かい日が続いているので、
サンショウウオのスイッチが入っているのではないかと思いまして。
いつも通りの安直な考えのもと兵庫北部の渓流に赴く。
久々のサンショウウオ探し
標高を上げる毎に増えていく雪を気にかけながら目的の場所に到着。
胴長に着替え、いざ、出発。しようとしたところで足元を見ると.....。
春が顔を出しておりました。
一足先に春を感じられたことに気分を良くする。
ヒダのポイントまでは10分ほど歩かなければならない。
久しぶりの山歩きに息を切らしながら薄暗い林道を進む。
到着して一言。
「ちょっと多くはありませんか」
春を感じて10分後に目の前が雪景色とは。
まるで季節を逆行しているよう。
まぁ、考えても仕方ないので林床の倒木やら石やら退けてみるが...いない。
雪に遮られ探せる場所があまりにも少ない。
続いて沢の倒木やら石やら退けてみる。やはりいない。
このままではいつものように、
「目的の生き物は見れなかったけれど、自然を満喫できて大満足!」
などとお茶を濁すことになってしまう。
ちょっと本腰入れて面倒くさがって手を付けなかった大きめの木を動かしてみるが....。
もちろんいない。正直な話、時期的には少し早いが、いてもおかしくはない。
分厚い雪に覆われた状態でも見つかったことはある。今回は根負けです。
このまま引き下がると非常に大変とってもモヤモヤするので、
「いつでも会えるアイドル」に目的をシフトした。
感動の再会
小さな石を水が濁らぬよう丁寧に退けると顔を出す。
ヒダサンショウウオの幼生。
成体とは違って水中に必ずいるので探すことは難しくない。
久しぶりのヒダっ子に会えて安堵する。
網を持ってきていなかったので木の上に乗っていただいた。
相変わらず愛嬌たっぷりの顔をしている。
時間を忘れて眺めていられる。というか、本当に時間を忘れていた。
時刻は17時30分。少しばかり空が赤く染まり始めている。
流石に下山を始めないとマズイことになる。
ヒダっ子に別れを告げ足早に山を下る。
山から吹き下ろす冷気が顔をたたくが気にしている暇はない。
自分の車が見えるとなんだかほっとした。
久しぶりの山はちょっと怖い。
あれだけ夜の山を徘徊していたんだけれど、慣れが薄れたんだろう。
おかげで慣れ親しんだヒダ幼生を見つけて改めて感動できたから悪いことじゃない。