『三度目の正直』ということわざがある。
三度目には期待通りの結果になるということ。
ヒダサンショウウオの成体を確認した渓流で、上流までくまなく探した一度目。
上流がダメならと下流を攻めた二度目。
こちらは特筆すべき内容がなかったので、ブログにも載せていない。
そして三度目。
先週の土曜日のこと。
気温がとても高く、春の気配を感じる陽気。
そろそろ生き物が動き出す頃と思い、
新規開拓すべく新しい渓流にやってきた....んだけど。
最近雨は降っていないのに水量がやたら多い。
そう。
雪解け水ってやつ。
気温が上がったもんだから、一斉にとけた結果の大増水だった。
入渓するも濁りが入っているため断念し、早々に退散する。
このまま手ぶらで帰るのも癪なので、実績のあるいつもの沢に立ち寄ってみた。
こちらは増水しているけれど濁りはない。
とは言え、散々探して実績一匹なのであまり期待はできない。
この場所のポテンシャルが低いわけではなく、
自分の“サンショウウオレーダー”がまだまだ未熟なのだろう。
案の定、サッパリ見当たらない。
不幸中の幸い?
おまけに腹が冷えたせいか、お腹がムズムズしてきた。
近くのコンビニに急行するため車に戻る道中、今にも枯れそうな沢が目に入る。
これが“うん”命の出会いだった。
ただ、この時点ではそれどころではない。
沢とは対照的に決壊しそうな“うん”が迫っていたのでね。
無事コンビニにたどり着き一仕事を終え、改めて沢を望む。
幅1mも無い小さな沢だ。
あまり期待はしていなかったけれど、一応探してみる。
すると、岩を退けた瞬間、小さいけれど素早く泳ぐオタマジャクシが一匹。
ヒダサンショウウオの越冬幼生ではないか!
幼生は基本、その年に上陸するが幼生のまま水中で越冬する個体もいる。
それがこの子。
成体と比較してとても地味だ。
これがこうなるとは想像し難い。
ただ、とてもカワイイ。
すこぶる可愛らしい。
しばし愛でた後、違う岩をガサガサすると、なんともう一匹!
嬉しいことこの上ない!
このポイントの全景を見ておきたかったので、登れるところまで遡上してみると、
大半が伏流水(地下など、地表を流れていない水)だった。
なるほど、サンショウウオにとっては格好の産卵場所だ。
人間もそうそう手が出せない楽園。
いつまでもこの環境が残ることを願って沢を後にした。
ちなみに、採集したヒダっ子は以前から飼育してみたかったので、
お持ち帰りすることに。
エサ用の川虫と沢の水を頂戴した。
早速、バクバク餌を食べる姿を見て一安心。
大事に育てます。