冬は生き物観察が難しい時期なので、いつも怠惰な日々を送っている。
こたつに入って、ただただYouTubeを眺める。あまりに代わり映えしないことに嫌気がさして、「よし!雪山に登ろう!」と思ったのが事の発端である。
目標は鳥取の大山(大山)。標高は1,729m。
1回目はホワイトアウトで撤退
実は今年の大山登山はこれで2回目。
1回目は1月の半ばに挑戦した結果、8~9合目付近でホワイトアウトして友人のさっさんと撤退した。
ひどい吹雪だったので賢い判断と言えば聞こえは良いが、「びびって逃げるように帰った」と言った方が正しい。
登山道には道しるべとして細い棒状のアンテナが立っているが、5m先のアンテナすら霞んで見えたときには正直焦った。
今回はこのときの反省をふまえたリベンジマッチというわけだ。
深夜に登山開始
2月の中頃。道中の道の駅でさっさんと合流して現地に向かう。
午後から天候が崩れるので、早めの3時にヘッドライトで照らしながら登山開始。道がわかっているので、6合目まではサクッと登れる。
ここから傾斜が急になるため、アイゼンを使いながら慎重に足を進める。この頃には夜も明けて展望があるかと思いきやガスって見えない。
それでも合間に見える景色は、雄大で頂上への期待が高まるばかりだ。
大山登頂!...絶景はいずこへ?
幸いなことに、これといったトラブルもなく無事に登頂!したのは良いものの、ガスってる。
大山といえば広大な青空が絶景の「大山ブルー」が有名だが、見事なまでにホワイト。とはいえ、リベンジマッチが成功したので気持ち的には一安心だ。
ただ嬉しい気持ちとは裏腹にめちゃくちゃ寒い。ガスが晴れないかと待っていると、芯まで冷えそうになる。
その頃、カメラマンのさっさんと言えば、三脚を構えてガスが晴れるのを待っている。
職人だな~と横目に見つつ、動かないと凍えるので一面雪景色の頂上を散策していた。
一瞬の絶景に感動
散策といっても白、雪、寒い以外にはなく、諦めてさっさんの元に帰ったのも束の間、ガスが一瞬だけ晴れた!
大迫力で「かっこいい」以外の言葉が出ない。大山ブルーとはいかないが、ガスの合間を木漏れ日のように差し込む太陽の光が幻想的だ。
時間にして30分も満たなかったと思うが、それでも来た甲斐は十分にあった。
目的を達成した安心感と同時に自分が凄い場所にいることを実感する。非日常の真っただ中。無事に下山できるのか。
大山山頂の避難小屋で昼食&下山
大山に来たもう一つの目的が頂上で食べるカップ麺である。
雪山登山の醍醐味と言っても過言ではない。
冗談抜きで普段の5倍はおいしいと断言できる。体も温まるし言うことなし。
すべてやりきったので、下山を開始。
下山途中ではガスが抜けて北壁が眼前に広がる。
午後から風が強くなる予報だったこともあり心配したものの、思いのほかスムーズに下山できた。
雪山登山は冬の風物詩
雪山登山は滑落・遭難のリスクがあるため気軽にはおすすめできないが、個人的には好きだ。絶景を見ると感動するし、非日常を感じれば日々にコントラストができる。
暖かくなるまでの暇つぶし、ではなくこの時期しか経験できない風物詩として楽しんでいきたい。
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