淡水域がメインだった採集も徐々に海水にも手を出し始めた。
そんなわけで休日の真昼間。三重の漁港をぶらつく。
いくつか見て回ったけれども、
あまり華やかなお魚は見えず、
潮風をあびながらのお散歩と化していた。
それはそれで気持ちが良いものだが。
薄い可能性とは裏腹に大きな網を携え、
ぼ~っと水面を眺める。
すると青い小魚が群れに群れていた。
ソラスズメダイ。珍しい魚じゃない。
でもなんか好きだな。
旗を持つ魚
何も考えず幸せで怠惰な時間を満喫していると、
ふわふわとなにやら見慣れない風貌の魚が漂ってきた。
不相応な得物で追いかけまわすと、
苦労することなく捕まえることができた。
「ハタタテダイ」
成魚はいかにも南国チックな縞々模様だが、
このサイズではあまりはっきりしていないようだ。
大きな目と尖がった口がかわいい。
しばらく観察した後、徘徊を再開。
海中のロープに目を凝らして見ると、
丸くて黒い物体が水流に負けじと頑張ってロープに寄り添っている。
そんな頑張りに何の配慮もせず否応なしに掬う。
ぐーふー。詳細はわからない。
丸々としたボディーとぴこぴこ愛嬌のある泳ぎ方。
いつまでも見ていられる。これぞ癒し系。
思う存分愛でたのでリリース。
そして一日の終わりに水平線を眺める。
贅沢な締めくくり。