今日は行かないと決めていた。
というのも、前日の大雨に加えて気温もガクッと下がり、
お世辞にも“好条件”とは言い難かったからだ。
行ってもどうせ見つからないだろうし(弱気)。
仕方がないので、家でモヤモヤしながらサンショウウオについて調べていた。
調べ始めて一時間後...。
気が付いたら沢にいた笑。
当然ながら休みの日にカタカタとパソコンで調べものができる性分ではない。
ベストシーズンに向けて下調べでもできればと思って。
今回は完全に初場所。
Googleマップで可能性の高そうな渓流を見つけて、ひたすら遡上する。
さすがに増水していて、油断すると足を持って行かれそうになる。
おまけに吹雪いて視界も悪いし、もの凄く寒い。
「こんなところで何やってんだろう...」
と、ふと思うことはあったけれど、虚しくなるし、深く考えるのはやめた。
感動の瞬間
一時間ほど経った頃だろうか。
流芯から外れた流れの緩やかな場所の石をそっと退かすと、
明らかに不自然な色が目に入った。
『紫』
見間違うはずがない“異色な存在”。
120%の緊張を感じながら、少しずつ網の方に追いやる。
『ヒダサンショウウオ』
今までの苦労が報われる瞬間!
この感動があるから、やめられないんだよなぁと常々思う。
寒いのか感動なのか手の震えが止まらない(手の感覚無かったし、おそらく前者)。
少し落ち着いたところで改めて観察すると、紫に黄色(金色?)が乗り、
本当に綺麗かつ格好いい。
そしてなによりデカい。
15cmはあるだろうか。
カスミサンショウウオを見慣れている分、一際大きく見える。
捕まえる以前は、「石の隙間に入られたらわからんだろうな」
と、考えていたけれど色といい体長といい、そんな心配は無用だと思った。
とにもかくにも、これでしばらくサンショウウオ探しはしなくてもいいかな。
と言うのはもちろんウソで、この場所のヒダの観察と『ハコネ&ブチ探し編』に突入しようかなと笑。
心底感動できる一匹にまた会いたいからね。