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今や危険な外来生物の代表格となった“カミツキガメ”
鋭い口や長く尖った爪、恐竜を連想させるような長い尾。
まさに“怪物”という名にふさわしいこの生き物は本来どんな環境に生息し、
本当に危険な生き物なのでしょうか。
敢えて日本ではなく、原産国である北アメリカ大陸へ出向き、カミツキガメを狙い撃つ。
それが今回の旅のお話しの内容です。
船中泊ってのが過酷でしたw
山根ブラザーズ(兄)の釣行記をお楽しみくださいませ!
目的地は ケンタッキーレイク 。
アメリカ内陸部に位置し、飛行機と車で約30時間の長旅となります。
途中、シカゴで弟のマサと合流し車に愛船マサ丸を牽引。
ケンタッキーレイクまで往復1600kmのドライブです。
いざ!ケンタッキーレイクに向けて出発!
ガソリン満タン、やる気満タン、体力有り余って溢れております!
それでは、今回の戦いの舞台となる巨大湖・ケンタッキーレイクをご紹介しましょう!
アメリカンサイズな巨大湖だぜ!
長さ296 kmという驚異的な大きさを誇るケンタッキーレイクは、バスフィッシングの聖地としても有名です。
これだけの長さだと時速90kmで滑走するバスボートが必要になることも頷けますよね。
ちなみに、我が国が誇る琵琶湖と比べるとこのようになります。
2勝1敗で琵琶湖の勝利ですね!wやっぱ琵琶湖ってでかいんですよ。世界的に見てもね。
片道700 kmのドライブなんて日常茶飯事!
うーん。。。豪快!w
無事にケンタッキー州に入り、ボートランチへ向かいます。
今回お世話になったマリーナは『フィッシャーマンズヘッドクォーターズ』さん。
何でも、最近はホワイトバスがよく釣れているとのこと!
お前らカメ釣るのか?
どの国へ行ってもたいていこんなやり取りと、どうしようもない情報しか手に入らないものです。
ガソリンたっぷり買い込んで、食料と水、防寒着もしっかり積み込みまして!
アメリカのどこにでもあるようなマリーナから夕方の出港です!
獲るまで帰港禁止!船で寝泊まりします!
今回も命を預ける我らの愛船マサ丸です。自慢の船外機はなんと4馬力!
これで夜のケンタッキーレイクに挑みます!
カミツキガメの餌は?!
暗くなる前にとシャッドやミノーと呼ばれる小魚をサビキで釣り上げます。
日本で言うとワカサギ釣りのようなものですね!
魚探で群れを見つけ世界一釣れるサビキ”パニック”を投下すると入れ食いです!
コノシロのような魚がシャッド、ワカサギのような魚がミノーです。
因みにシャッドは60cmまで成長します。
あっという間に数十匹を確保し、いざカミツキガメの餌場となりそうな釣り場へ!
実釣開始!
ぶっ込みスタイルでドロ底な場所を狙います。
水深2m。流れは無く、時折カメ達が顔を出します。
夕マズメということもあり、めちゃくちゃ釣れそうです!
あっという間に真っ暗。本当に真っ暗ですw
慣れてはいるものの、月明かりすら無い湖上では、どこか潜在的に緊張感が漂うものです。
鈴が鳴る!ドラグも鳴る...w
来ました!チャネルキャットフィッシュです!
アメリカでは、霞ヶ浦のように沢山釣れることはあまりありません。
他の競合種が多いため大繁栄できません。生態系のバランスとはこのことですね。
岸近くへ移動!
真っ暗闇のなかではGPSが本当に頼りになります。
やっぱカメは岸辺でしょ!ってことで、街灯まわりに来てみました。
4馬力全開全速フルスロットル!1時間かけてねw
デカすぎだよ...ケンタッキーレイク。
でっかいカメキタァーーー!
鈴だけが鳴るそれっぽいアタリ!慎重に送り込み合わせるとカメっぽい引き!
そこそこの重量感!コレはーーー!?
トゲスッポン登場!
ヒガシトゲスッポン(Apalone spinifera)の特徴はなんと言っても甲羅の前方にある棘のような突起でしょう。
アメリカ合衆国の中部から北部に広く分布します。最大甲長は60cm。
ちょっとした豆知識ですが、スッポンは皮膚呼吸によって水中でも酸素を取り入れる事ができるため、カメよりも長く水中に留まる事ができます。
咽頭や腸管内の粘膜でもガス交換できるというから驚きです!
水温が下がる時期は殆ど水面に上がらないで良いのです!
深夜3時になりました
冷え込みも増してきて、辛い時間帯にヒットしてきたのはナイスサイズのチャネルキャットフィッシュ!
ちょっとした癒やしでした。
それにしてもカミツキガメは全然来ないぞ...こりゃ駄目かも。
無情にも。夜は明ける。が、時間は大量にあるw
今回は最大3日間の予定を取った長期戦です。が、早く仕留めて船から降りたいというのが本音。
既にマリーナから2時間半くらいの場所まで来てるし、そろそろ本気だすかー!
最強兵器!延縄登場!
あちこちでカメが顔を出す、浅いドロ質の湾を見つけることができました!
水深は50 cm前後。そこら中から泡が出ています。これはカメの楽園かも!!
ここでとっておきの仕掛け”延縄”を投入です!
答えはすぐに出たー!仕掛けを投入してるそばからどんどんアカミミガメが掛かってきますw
まさに入れ喰い状態 !
1セット10本針の仕掛けを何度も入れ直します。
アカミミガメを20尾以上捕獲。もうコレは作業といって良いレベルですw
アカミミを外しては餌をつける。シャッドが品薄になってきたら、
チャネルキャットの切り身を増やし、鶏肉とレバーも使って本気の漁師モード。
でも、これだけカメが釣れるということは、きっとカミツキガメもいるはずだ!
ペットボトルが動く!!
せっせと針からアカミミガメを外していると、他の延縄の目印であるペットボトルがゆっくりと動いています!
まじかよ!オモリ100gくらいあるはずやで!
これは!!
恐る恐る手繰り上げます。
重たいぞ!慎重にいくぞ!絶対逃したくない!
カミツキガメ来たァーー!
キタァーーーーーー!カミツキガメだーーー!!!!
ウォーーーー!やったーー!!!!
シャッドもナマズも鶏肉も全部食いやがった!w
隣合う3本の針を飲み込んでいます。ほっといたら10本全部食ったかもしれません。
岸辺に船をつけて観察タイムです!
まるで恐竜!怖さよりカッコよさに惹かれます。
長く伸びた爪に鋭さは全く感じられませんでした。先もだいぶ丸いし。
ただ、踏ん張る力は強いので、この大きな爪は何かを攻撃するものではなく、
水底や地上をしっかり掴んで這うための物だろうなと感じました。
口周りはやはり注意したほうが良さそうです!
噛み付く力が強く、シャープに噛み切るというよりも力任せに押し切るといったイメージです。
指を噛まれたら切断というよりも骨折するんじゃないかな?
小枝くらいなら簡単に折ってしまいます。
顔はブサ可愛いですね!
いやーホントに出会えて良かった。遥々ケンタッキーレイクまで来た甲斐がありました。
結局、ダムのメインボディではアカミミすら釣れず、ドロ質で浅い湾奥での出会いとなりました。
小魚も少ないし水通しも良くない場所ですが、魚と違い、
溶存酸素量を気にしないカメ達はこのような静かで、
環境の変化が起こりにくい場所を好むんだなと勉強になりました。
マリーナまでは遠い道のりです。
ホワイトバスのナブラを探しながらのんびり帰りました。
ホワイトバスは美味しい魚です。
ナマズを釣り餌に使ってしまったので、ホワイトバスが良いお土産になりました!
さー!シカゴに戻って次の旅路に備えるべ!
ありがとうケンタッキーレイク!次はちゃんとバス釣りにまた来るぜ!
カミツキガメは危険か否か
実際に触れてみて感じたことを一言。
「普段の生活をしていれば接する機会はほぼなく、まったく危険ではありません」
しかし、僕のように捕まえれば必死に逃げようと牙をむきます。
それはどんな生き物も共通で、カミツキガメに限ったことではありません。
生き物の扱いに慣れていない方は、むやみに捕獲しないようにしましょう!
国内でカミツキガメを狙うならコレ!
国内でも印旛沼等でカミツキガメを狙える場所があります。
オモリや浮きを使用せずシンプルに一本針仕掛けがオススメです!
ドロ底の岸近くに仕掛けてみてください。サンマや鶏肉などが餌として有効です。
大切なのは針とハリス!
釣り針は、ネムリ針の形状になっている「管付きがま深海」がオススメです。僕が中型魚をターゲットにしたぶっ込み釣りにおいて最も信頼している釣り針です。
ワイヤーを使いたい気持ちも分かります。しかし食いが格段に落ちてしまいます。
そこで200lb前後のPEラインがオススメです!!
プライヤーは必ず持っておきましょう!
飲み込まれた場合は無理に外さずラインをカットしましょう。
カミツキガメは、口周りが最も怪我を追うリスクが高いです。