【淡水魚の聖地】九州遠征!「カゼトゲタナゴ&アリアケギバチ&ヤマノカミ」

四月も終盤に差し掛かろうという時、九州へと車を走らせる。

目的は採集、じゃなかった大学時代の友人の披露宴に御呼ばれしたため。

車には友人二人とスーツ一式そして勝手にタモやらロッドやらウェーダーやら、

採集道具が勝手に乗ってきたので、仕方なく一緒に行くことにした。


九州上陸

道のりは8時間ほど。何の変哲もない山陽道をひた走る。

変わらない景色にうんざりしていたが、

関門海峡が見えてくるとテンションは急上昇!

無事博多まで到着し見慣れないスーツ姿が三つできあがる。

そして、祝儀袋を書いておらず、

駐車場でスーツケースとクーラーボックスを机に急いで書き始める友人。

最高に面白い。写真も載せたいところだが名誉のために控えておこう。

いざ、披露宴へ

さて、本題の披露宴はと言うと、

見ているこちらまで幸せを感じるとても素晴らしいものだった。

幸せのおすそ分け。招いてくれたことに感謝。

新郎新婦が配る用のデザートをバイキング形式で取りに行く野郎二人。

バレないように即口にねじ込んだがバレておりました。てへっ。

採集開始!

無事に終わり、ほっこりした気分で式場を後にする。

そして、幸せな気分のまま釣具屋に行きミミズを買う。

ついでの採集の始まりである。

一発目は「アリアケギバチ」

ミミズを使ったぶっこみ釣りで狙う。

ちなみに今回の採集は友人に案内してもらっている。なので何の心配もいらない。

実にありがたいことです。

懸念すべきことは長旅によってHPが底をつきかけていることだろうか。

さて、準備もできぶっこみ開始。

ただ待っているとなんかそわそわしてヘッドライトで照らしたくなる。

ちょっと浮気して辺りを照らすと見慣れた姿を発見!慎重に網へと誘導していく。

無事にネットイン。

「オヤニラミ」

友人曰く、九州の個体は色味が違うらしい。

なにはともあれ、九州一発目はとても嬉しい。しかし、問題はここから。

難敵アリアケギバチ

エサ取りが多くて困るといわれていたが付けた餌がそのまま上がってくる。

そして、なかなか釣れない。時期が少し早いのだろうか。

そうこうしていると、もう一人の友人が「ハゼっぽい」と言いながら、

糸の先になにかをぶら下げてきた。

なんとアリアケギバチ!燃料切れを起こし意気消沈していたが急上昇。

最後の気力を振り絞って挑むも撃沈。

よろしい。ならば戦争だ。一方的に攻め込むことにする。

眠い目をこすってウェーダーを履き網を片手に川に押し入る。

開始5分。入ったぁーーー!!!!

「アリアケギバチ」ナマズ目ギバチ科。九州の固有種。

本州のギギに似ているがずんぐりむっくりとして寸詰まりな印象。

どちらかと言えば、ネコギギに近い容姿。

大きくなればまた違うだろうけど、模様もはっきりしている。

ギギよりも愛嬌があり友達になれそうな気がする。

眠気がぶっ飛ぶ嬉しさ。大満足である。

しかし、人間は強欲なもの。せっかく来たならもう少し見てみたい。


カゼトゲチャレンジ

そんなわけで次は「カゼトゲタナゴ」。

友人が運転してくれたので20分ほど仮眠を取り水路へかち込む。

かなり渇水状態で、上から眺めると種類はわからないがタナゴがうじゃうじゃ。

ここは天国か。

ざっと一網打尽にすると早速お目にかかれた!

「カゼトゲタナゴ」

こちらも九州にのみ生息するタナゴ。

青赤黒、薄っすらと色づいた婚姻色が美しい。

一度は見てみたかったので感無量。

その後もちょこちょこ取れ、たまに巨大なタナゴが入ると、

「セボシか?」と緊張するも立派なヤリタナゴという落ちが何回かあった。

またもや大満足。しかし、人間は(以下略)。

今回のラスボス

「ヤマノカミ」採集に挑む。友人曰く、今の時期はとても小さいと。

それでポイントまで少し距離があり厳しいので、近場で新規開拓するとのこと。

合点承知の助でGoogle Map先生に相談すると一番近い川の堰に目がいった。

時間的に考えてもここがベストと判断して移動。

到着と同時に眼前に広がる藪を押し分け水辺へとたどり着く。

干潟になっとるやんけ

足はズボズボはまるし、水は濁っていて水深がわからない。

傾斜になっていればそのまま深みに滑っていく恐ろしい採集屋ほいほいと化している

「これはアカンかも...」そう思った3ガサ目。

きたぁーー!!!

「ヤマノカミ」

漢字では「山の神」

外見から神様を彷彿させることからこの名が付いたと言われている。

こちらも九州の固有種。

小さくとも特徴ははっきりしていて、鰓周辺のゴツゴツ感は健在。

本州のアユカケにも似ているがこちらの方がスマートな印象。

いと格好良し。

数は少なくなく一網に一匹入るほど魚影は濃かった。

成魚も一度見てみたいと思ったがそれはまたの機会にとっておこう。

泥だらけになりながらなんとか脱出し干潟を後にする。

次はムツゴロウ、ワラスボ、ニッポンバラタナゴ、

セボシタビラ、オオイタサンショウウオを見に行きますか!

と言いたいところだが流石にタイムアップ。

あっという間ではあったけれど、この上なく充実した二日間だった。

幸せをいただき、一度に多くの夢を叶えてもらった今回の九州遠征。

すべて友人のおかげ。三人の友人に感謝。

満足すればするほど感じるちょっとしたもの寂しさを抱きながら、

九州にさよならを告げる。

また来よう。残りの夢を叶えに。

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