
小型サンショウウオといえば流れが小さく緩やかな「沢」で探すのが一般的だが、今回はなんと「川」にいるハコネサンショウウオの話。
※本記事に使用している写真はいずれもヤラセなしの「生態写真」です。
仮説:川にも小型サンショウウオは生息しているのではないか?
トトコレの読者は川でのサンショウウオ観察といえば、オオサンショウウオ一択だと感じるだろう。
筆者もずっとそう思っていた。

しかし、沢ではなく「川」で小型サンショウウオを見つけることも、あるにはあるのだ。
さらに、昨年からイワナやアマゴを狙った渓流釣りを始めたのだが、渓流釣りのポイントで小型サンショウウオを見つけることも増えてきた。
ここで筆者が立てた仮説としては
「小型サンショウウオも案外、川に生息しているのではないか?」
というものである。
そこで条件の良い日を狙って、仮説を検証してみることにした。
検証:夜の川で小型サンショウウオを探してみる
ハイシーズンは若干外してしまったが、条件の良い日を狙って早速アタックしてみた。
夜の川は非常に危険なので全くおすすめできないし、行くなら自己責任で。
予想より増水していたので、今夜はさすがに厳しいか?と不安がよぎりながら歩くと。

流れの緩やかな浅瀬にハコネサンショウウオ。
正直、この光景は違和感しかない。
オオサンショウウオがいそうなポイントに、ハコネサンショウウオがいるのだから。

心の中でマジかよと叫びつつ、探索を続ける。
すると、



出るわ出るわ。
ご丁寧に川を泳いで上陸する姿も何度か見かけることができた。


結局この川では100mほどの狭い範囲で10匹ほどのハコネサンショウウオを観察することができた。
結論:川にも小型サンショウウオはいることがある

今回は狙い通り川で小型サンショウウオを見つけることができたが、それは地形に因るところが大きい。
源流部の岩がゴツゴツした凹凸のある地形は、どんな生き物でも隠れやすい。
逆を言えば、人間にとっては不利ということ。
今回、川で見つけることができたのは、平坦な地形によるところが大きいはずだ。
平坦なので見通しがよく、人間ごときでも見つけることができたのだ。
しかし、本当に普段から川に生息しているのだろうか?
たまたま移動に川を経由しただけだったかもしれない。
普段は一体どこに棲んでいるんだろう?
ちょっとだけ好奇心をくすぐられたが、今回はシーズンオフも近いのでこのあたりにしておこうと思う。