季節は春。4月の終わりであり、平成の終わり。
田んぼにも水が入り、カエルの鳴き声が盛大に鳴り響いている。
そろそろゲンゴロウも動き始めそう。
「ゲンゴロウ」、漢字で書くと「源五郎」。
日本に生息するゲンゴロウ類では最大種に位置する。
農薬の散布や生息地の悪化、乱獲によって数を減らし、
絶滅危惧II類 (VU)(環境省RDB)に指定されている。
そんな貴重な甲虫であるゲンゴロウを時間があるときに探しては見るものの、
なかなか見つからない。
今回は岡山に用事があったので、そのついでにちょっとだけ探してみた。
岡山にてゲンゴロウ探し
google mapで良さげなポイントをチェック。
里山近くのため池。
雰囲気はなかなかいい感じだ。
目を凝らして水面を見つめていると、マツモムシが優雅に泳いでいる。
5分程睨めっこしてもお目当ての姿はない。
諦めかけたその時!
ゲンゴロウと思しき姿が!
網を持って近付くと難なく捕獲することができた。
ゲンゴロウはゲンゴロウはでも「クロゲンゴロウ」。
ナミゲンゴロウとは別種で、小さく、色も黒いことから見分けができる。
「この感じだとまだまだ潜んでいるんじゃなかろうか」
そう思ってボサをガサガサするとこの通り。
大量のクロゲンとミズカマキリ。
残念ながら本命には出会えなかったのだけれど、
生き物が豊富でとても楽しい。
この後も何か所か見て回ったが、良さげな雰囲気の場所が見つからない。
気分転換にサンショウウオ探し
道中でサンショウウオにも浮気してみた。
だれもいない山奥で水の流れる音と小鳥のさえずりを聞きながら、
身の丈ほどの岩に腰かけて一服する。
贅沢な時間の使い方。
「ちょっと一手間」で見つかるほど甘くないのがサンショウウオ。
予想通り「無」である。
唯一、相手してくれたヒキガエル。
これは鼓膜が明瞭かつ目からの距離で見ても、
「ニホンヒキガエル」かな。
分布だけで判断すると重複している場所では頭を抱えることになるので、
特徴で同定した方がいいよね。難しいけれど。
まだまだ勉強中です。
手のひらサイズのなかなか可愛らしいゲコ。
カエルらしからぬ「ノソノソ」とゆっくり這うように動く姿に癒される。
過酷なサンショウウオ探しでは度々お世話になったヒッキー。
別れを告げてもう一探し、とはいかず時刻は18時。
安全も考慮して早めに帰路に就く。
またまたナミゲンゴロウには出会えなかったものの、
充実した「生き物探し」。
一筋縄ではいかないけれど、それがまた面白い。
今年の夏は本格的に探してみたい。
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