「あともう少し...」
常に頭にあるが、待ちきれずに足を運んでしまう。
行っても無駄なことはわかっているのだけれど。
自分がサンショウウオを探す場所は記録的な大雪に見舞われ、
一向に春を感じさせない様相。
遠い遠い春の兆し
流石にこれだけ積もっていると、
手の出しようがない。
沢を確認してみても雪が覆いかぶさって、
伏流水と化している。
仕方なく雪に腰を下ろして物思いにふける。ふりをする。
何も考えず水が流れる音だけが聞こえる。
そんな贅沢な時間を楽しむ。
ふと気配を感じて目をやるとキジがいた。
カメラを出そうとするがこちらの気配に気付いたのか、
早々にはるか彼方へ。
これを機に現実に呼び戻される。
すんごく寒い。
座っていたもんだからお尻は湿りがち。
跡には大きな桃が一つ。
春が来るのはもう少し先になりそうです。