今年の6月のハコネサンショウウオ坊主を最後に生きもの熱が完全に消火してしまった。さらには他にこれといった楽しみもなく、ただただのたうち回る日々が3ヶ月間続いた。
そんな最中、息子からのリクエストをトリガーに今までチャレンジしたことがなかった「ヘビ探し」を始めてみた。すると程なくして一般的には「幻のヘビ」と言われているらしいシロマダラに出会った。
新境地を開拓してみる
ターゲットとなる生き物を失ったことにより、生きもの熱が消化している期間が3ヶ月間も続くと心身の健康にはとても良くない状態が続くことがわかった。
これぞ「サンショウウオ燃え尽き症候群」の典型的な症状である。
つらい。
とてもつらい。
ターゲットとなる生き物を失うとは、こうもつらいものなのか。
これからサンショウウオを始める方々は今から備えておいてほしい。
ストレスを発散する場所を失った状態に陥るため、単純にストレスフルになるだけでなく、仕事の調子もあまり良くない状態が続いてしまい、困り果てる日々だった。
*サンショウウオ燃え尽き症候群が発生するロジックは下記の記事を参照ください。
これはまずい。
こういう時は「いつものやつ」を発動するしかない。
そう、困った時の他力本願である。
誰かに頼ってみるのも悪くない。
自らがターゲットとなる生き物を失ってしまったのであれば、一番身近な存在である息子のリクエストを聞いてそれを叶えるというプランだ。
一見、子供思いの良いパパのように見えるが、単なる親バカであることは言うまでもない。
息子の口から出たリクエストは2点。
- 魚を釣ってみたい(海水魚よりも淡水魚に興味あり)
- ヘビを見てみたい
よし、そうと決まればいっちょやってみっかな!
オラ久々にちょっとだけワクワクしてきたぞ!
釣りをしてみた
以前、テナガエビ釣りに挑戦して華々しく散ったことがあった。
それが原因で釣りは完全に諦めつつ、安価な竿をさらに格安で入手したにも関わらず、封印していた。
いよいよその封印を解く時がやってきたのだ。
とはいったものの、魚など釣ったことも釣ろうと思ったこともないので誰かに教えを乞う必要がある。
こんな時は当トトコレ管理人Kazuhoが便利だ。
とは言っても、彼はなかなかシビアな男だ。
自分であれこれ調べつつ、不明点だけを彼に尋ねて回答をもらいつつ(我ながら気遣いが偉いな)いよいよその気になったところで息子といざ公園へ。
後述するがこの公園には魚だけでなく、カエルも多く生息しているためワンチャン、ヘビも狙えるのだ。
釣りの中で一番苦手なプロセスである「仕掛けの取り付け」を終え、練り餌をくっつけて釣り糸をたらすと10秒ほどで釣れた。
目標達成である。
何とも呆気ない。
さらにそこらへんで捕まえたミミズを餌にしてみるとまさかの爆釣。
疑ってごめんよ、竿。
パッケージに記載があった「かんたん!!」「ファミリーに最適!!」という文言は嘘ではなかった。
ヘビを探してみた
続いてヘビである。
専攻科目は流水性小型サンショウウオだが、両性爬虫類の探し方なら父ちゃんに任せとけ!
生き物の探し方には共通するコツがあるからだ。
賢明なトトコレ読者ならご承知の通り、マムシが一番簡単に見つけられるのだが小学生の息子にはまだまだ危険な存在であるのでパス。
無毒のシマヘビ、アオダイショウ、ヒバカリ、ジムグリあたりをターゲットにしたい。
となればまずは彼らの餌が集まる場所を探索するのが一番手っ取り早い。
公園内にトノサマガエルやタゴガエルが大量に姿を現すポイントがあるので散策すると足元から何か大きな物体が飛び出した。
シマヘビだ!
見せてやるよ!3倍界王拳だ!
自分はヘビは幾度となく見ているが、実は捕獲したことはあまりなかったりするので、久しぶりに本気と書いてマジモード。
必死になってヘビと戦う父親を見て息子がドン引きしているのを尻目に、捕獲は成功。
タモ網を駆使して何とか捕獲し、無事に観察することができたのだった。
ヘビ探索を掘り下げてみた
シマヘビの成功体験からヘビにちょっとだけ興味が出てきた。
だがヘビのような爬虫類は、両生類のように探索ロジックを再現すれば割と簡単に出せるという代物ではない。
ある夜、Kazuhoの住む近隣に押しかけて色々と探し方を教示してもらったがそれが身に染みた。
サンショウウオより坊主率も高いのでこれを専攻科目としている猛者には心底、脱帽する。
別の夜、どうしようもなく生き物探索熱が疼き、
「これが生き物熱の再燃か!オラ、ワクワクはしねぇけど行くしかねえぞ!」
と少し期待して山へ車を走らせた。
再燃の兆しであるなら、ここは坊主を免れ、盛大な成功体験で生き物熱を再点火させなくては。
手軽なのは流水性サンショウウオの新規開拓だがこの時期はおそらく上陸が始まっているか終わっているため、一年の間では珍しく幼生探しがちょっと難しい時期でもある。
と、頭の中で悶々と考えながら沢へ降りると直近の台風のせいで増水していて幼生どころの騒ぎではない。
こりゃまた消火かーオラ参ったぞーと心の中で呟きながら、条件反射的に道端にあった石をひっくり返してみた。
尾の青いニホントカゲの幼体が、真っ白い何かに捕まっている。
最初はキノコか何かに絡まっているのかと思ったが、その"白いキノコ"をひっくり返すと、本やTwitterで見たことのある模様が目に飛び込んできた。
・・・シロマダラ
こんなに小さいのかっ。
そしてこんなに腹が白いのかっ。
以前見つけたことがあるタカチホヘビより少し太いくらいに感じた。
これはなかなか見つけられないよなあ。
今回は運が良かっただけで、これを専攻科目に・・とは正直考えたくもないくらいの苦労が目に見える。
探索という観点から爬虫類は坊主率が高く自分にはとても真似ができない技術が必要とされるであろうこと。
生き物としてはやはり流水性小型サンショウウオの方が好みであること。
以上2つの理由から、今回のヘビ探索は「自分はやはりサンショウウオが好きだ」と自己分析・再認識をできた貴重な機会であり、近々、サンショウウオ熱も再点火できそうな気配も感じることができたのであった。
息子には
「父ちゃんとまた釣りにでも行こうな!」
と伝えつつ、次のサンショウウオとの戦いに備えるのだった。