【四国の青い星】イシヅチサンショウウオ登場

まさかここまでイシヅチサンショウウオにはまってしまうとは誰が予想しただろう。2018年夏。きっかけはもう忘れてしまったけど、小型サンショウウオを見てみたいと思い、方々手を尽くして生息地を特定し、ヒダサンショウウオ幼生を自力で発見した。思えばこれが自分にとって初めての小型サンショウウオとの遭遇だった。

同年10月。トトコレ管理人Kazuho氏と出会い、本格的に小型サンショウウオの世界へ。ハコネ、カスミ、と順調に観察しながらこう思った。最終目標はヒダサンショウウオ成体だ!ヒダサンショウウオ以上に魅力的な小型サンショウウオはいないはずだから!・・・紫色の体色に金粉を散らしたようなゴージャスな外観をトトコレで何度も見せられた挙句、当時は真剣にそう思っていた。

まさかの四国遠征

2019年2月。念願叶って自力で発見したヒダサンショウウオ生息地で成体に出会う。黄色が強い個体から紫色が強い個体まで、様々な個体差も楽しむことができた。この美しさが神経を狂わせた。ヒダサンショウウオの繁殖期が終わりを迎えるも、カラダが小型サンショウウオエキスを欲し続けている。そうこうしているうちに春が来て、あっという間にGWが目前。

そういえばGWごろに繁殖期を迎える小型サンショウウオがいた。・・・イシヅチサンショウウオだ。カスミ、ヒダなど比較的観察しやすい種で十分満足していた自分にはハードルが高い、言わば上級者向けサンショウウオという印象だった。興味本位でイシヅチサンショウウオについて調べてみる。ネットではトトコレばかりがヒットして気に食わなかったことと、転職活動中で内定を貰って少々浮かれていたこと、が理由となりイシヅチサンショウウオが生息する四国へ向かうことを決めたのだった。

小型サンショウウオ?いやいや、”中型サンショウウオ”だろ!

イシヅチサンショウウオ

しかし相手は上級者向けサンショウウオだ。何とか自力で生息地を特定していたが簡単に出会えると期待はしていなかった。しかし出会いは何ともあっさりとしたものだった。生息地に到着して15分足らずで1匹発見!と同時に、その巨体に驚愕した!誰だ、小型サンショウウオなんて言ったのは?これ小型じゃないよ!中型だよ!その証拠に、カスミやヒダを撮影してきた方法では全身を撮影できなかった。大きすぎてフレームからはみ出してしまうのだ!ペットボトルと比較するとその巨大さをおわかりいただけるだろう。

光の反射のせいなのだろう。日中は黒一色に見えるが、夜間にライトを当てて観察すると濃紫色、水中で観察すると鮮やかなブルーに。完全にノックダウンされた。

2度目の探索で究極の美個体に出会う!

初めての探索で味を占め、すぐさま2度目の探索に向かう。大阪から四国への高額な高速料金すら気にならない、病的な症状。今まで、アフリカでチーターやクドゥ、奄美大島でアマミイシカワガエルを観察したときに発症してきた病だ。おそらく、今後何度も生息地へ赴くことになるだろう。そういう病気だ。こうなったらしばらくの間、この病と上手なお付き合いをするしかない。そして、さらにその病を重症化させる出来事が。

イシヅチサンショウウオ

成体が大漁!(観察後、全てリリースしています)

そして満足感に浸って帰ろうと思った矢先、究極の美個体と呼べる個体に出会ったのだ。

イシヅチサンショウウオ

帰省した際、実家の大画面に撮影した美個体を写してドリンクと一緒に後味を楽しむ始末。両親も息子も、僕に冷たい視線を送っていた。

今までにない症状

その後さらに2度、生息地へ向かったがあえなく坊主に終わった。夏を迎え、さすがにイシヅチサンショウウオにも出会えなくなってきたのだ。嗚呼、このイシヅチ病の症状、どうしたら緩和されるのか?思いついたのがこれだ。

イシヅチサンショウウオ

イシヅチサンショウウオTシャツ ・・・やばい。遂にやってしまった。夏といえばTシャツ!という安直な発想だ(左から、写真→完成→着用例)。アマミイシカワガエルで試みたが未遂に終わっていた”Tシャツ化。これでいつだって彼と一緒だ(この個体はオスである)。いつも彼と一緒にいたい・・・!

そう願って、いつも一緒にいるスマホもイシヅチ化。どうですか、この病気。怖いでしょう。

悪魔の囁き

Kazuho氏と連絡を取り合うときも、思わず症状が現れてしまう。こんな時、事態に拍車をかけるのが彼だ。彼はそういう男だ。「秋にイシヅチサンショウウオを見たことがありますよ。」そう言われたら、行くしかないじゃないか。イシヅチサンショウウオの生息地は11月から雪が降るところもある。行くなら今のうち。まんまと彼に騙され、5度目の明石海峡大橋を渡る。

天国への階段?地獄への扉?

イシヅチサンショウウオの気分になって考えると、暑かった夏が終わり、活動しやすい時期にはなっているはずだ。とはいえ繁殖期ではない。坊主だったら帰りに温泉でも寄ってお茶を濁せばいいさ。坊主は負けじゃない。そんな苦し紛れな言い訳を複数パターン考えて坊主を正当化しようとしていたら、奇跡が起きた。

イシヅチサンショウウオ幼体

イシヅチサンショウウオ幼体!初めて見た。成体の巨大さとは裏腹の極小サイズ。4cmほどだろうか。そして美しい星空を反射したような模様。これは幼体だけの特徴だという。奇跡はこれだけでは終わらなかった。

イシヅチサンショウウオ

イシヅチサンショウウオ成体!Kazuho氏の予言は本当だった。いかん、これでは彼の術中にはまってしまう。しかしこの展開、神様が天国へ昇天させてくれたのか。それとも閻魔様に地獄へ突き落されたのか。イシヅチ病はまだまだ終わりが見えないのだった。

おわりに

初めての出会いから約6か月。この調子でイシヅチサンショウウオを通年楽しむことができる気がしてきた。問題は積雪期だ。イシヅチサンショウウオの生息地は標高が高いため12月には雪に埋まってしまうだろう。さすがに雪山で命の危険を冒してまで探索はしないが、冬を乗り切るためのイシヅチプランを今から考えなくてはならない。さて、どうしたものか。ふと空を見上げた。するとそこには・・・

・・・イシヅチ色の空が広がっていた。

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