久々の生き物さがし
暖かい日が続く今日この頃。
生き物たちの気配が少しずつはっきりしてくる。
春の訪れもそう遠くはない。
忙しない日々にちょっとだけ休憩をと思って、
仕事終わりに琵琶湖に流れ込む小さな河川に行ってみた。
手には網一本だけ携えて。
開始早々思う。
「案外捕れんな」
自分の腕の鈍りように驚く。
いや、もともとこんなもんか。
しばらくぶりで記憶が改ざんされていたらしい。
そうこうしているうちに、相手をしてくれる魚が現れる。
「ヨシノボリ」。
河川でガサガサしているとお馴染みさんである。
“普通”の陰に隠れがちだがとても綺麗な魚。
まじまじと観察していると、石に擬態している姿が視界の端にちょろちょろと。
「カジカ」。
一見地味だがまじまじと見ても地味である。
バレているのに諦めずじっとしている姿勢がかわいい。
そう言えば、そろそろ産卵期だったかな。
浮き石の下に産卵するので石を退けてのガサガサを控える。
ボサ下を物色していると入ってきた。
「ウキゴリ」。
食べても癖がなく淡泊で美味しい魚だ。
まだまだ小さいが大きくなると貫禄が出ていい味出してくる。
思わぬ珍客
逃がそうとした矢先、水中に一際大きな影がもぞもぞしている。
「イシガメ」。
それも二匹。
最近はアカミミガメばかりなのでちょっと新鮮だ。
写真を撮ろうとしても頑なに出てこない。こうなれば根競べ。
カメラを構えて待つ。ただひたすら待つ。
そのうちニョキニョキ顔をのぞかせてきた。可愛いやつである。
と思ったのも束の間、全速力ダッシュ。
カメの歩みが鈍いと誰が言い始めたのか。
この水辺へ突進する姿を見てから判断してほしい。
思いのほか多くの生き物が見れたことが嬉しい。
ちょっと雑談。
よく言われることがある。
「なぜそこまでするのか」
生き物探しの話ね。
今回もくそ寒い中長靴ずぶ濡れになってまでやってた。
答えは割と簡単。
「心の平穏が保てなくなるから」
イライラしたり、落ち着かなかったり。
そんな時には山に行って川に行って海に行って、
目に見えないごみを捨ててくる。
要するにストレスのはけ口になっているわけで。
“白い煙が出る筒”と一緒ですな。
生き物を含めた「自然」に身を投じることで、
自分が自分らしくいられる。
綺麗ごとを並べるとこんな感じだろうか。
端的に言い換えると、「依存」。
これを話すと長くなるのでまたの機会に。