前回に続いて「真夏にサンショウウオを探してみた」シリーズの第2弾。
8月某日。今回は紀伊半島にしか生息していないオオダイガハラサンショウウオ(奈良・三重・和歌山県の天然記念物)を探してみた。
※オオダイガハラサンショウウオは採捕・飼育など禁止されています。今回も触らず観察しています。
真夏の他力本願
紀伊半島は山道が多く運転が非常に億劫なので敬遠していたのだが、知人が車を出してくれるという。
しかも既にポイントは目星がついているとのこと。これぞまさに据え膳。サンショウウオ探索において一番労力が必要なプロセスがほぼ完了しているのだ。行かない手はあるまい。
虫たちの強襲
ポイントは彼が他の目的で立ち寄った際にサンショウウオの気配を感じたという場所。周囲の環境を見ると、たしかにサンショウウオのオーラは出ている。
夏は午前中でも気温が一気に上がってくるので急いで支度してポイントへ。しかし「盆も過ぎたので虫も減っているだろう」と油断したのが間違いだった。
沢へ降りようとすると視界が虫で埋まる。
耳が痛い。なんか頭皮も痛い。結論からすると、頭部を4か所刺された。翌日、出社すると同僚から「耳腫れてるよ?」と有難いフィードバックをいただくこととなった。
ヒダサンショウウオの化け物
虫たちの攻撃を受けつつも、ひるまずに沢へ突撃する。
正直、虫に刺されると気分がかなり萎える。
前回の記事にも書いたように真夏のサンショウウオ探索はメリットも多いが、やはり最大のデメリットは虫やヒルの攻撃だろう。
頭部数か所に違和感を感じつつ、到着した沢でそれはすぐに見つかった。
オダイガハラサンショウウオ幼生!
なんだこの大きさは。でかい!ぱっと閃いた例えは「ヒダサンショウウオの化け物」
近縁のイシヅチサンショウウオの幼生もなかなかの大きさを誇るが、それ以上に大きく見える。その巨体のおかげで日中にも関わらず難なく見つけることができた。
夜間リベンジ
さらに後日、知人から上陸直前と思われる亜成体を発見したとの報告。
2度目のアタック決定。他力本願全開である。
亜成体はもちろんのこと、幼生がミミズを捕食するシーンや、そのミミズを狙って他の幼生が近づき奪い合いになるなど、大満足の観察となった。
おわりに
結果オーライとはよく言ったもので、虫に刺されて戦意喪失するも、持ち前の他力本願で亜成体も含めて充実した観察となった。
まだまだ夏は終わらない。他力本願も終わらない。真夏のサンショウウオ観察はさらに続くのだった。