真夏のサンショウウオ観察第3弾にして、自力でポイントを絞り込まず誰かに案内してもらう、その名も他力本願シリーズ第2弾。
今まで何度か挑戦しようとして放置してきた"アカイシサンショウウオ"を真夏に観察した話。
“真夏のサンショウウオ成体チャレンジ”に同志現る
ことの始まりは数ヶ月前に遡る。
Twitterで知り合ったY氏と「夏でもサンショウウオの成体を出せるのではないか」という、なかなかにチャレンジングな話題で静かに盛り上がった。
こんな無謀かつ酔狂なチャレンジに賛同してくれる人がこの世に実在したとは。
その後、何度かやりとりを重ね、ターゲットはアカイシサンショウウオに決定した。
アカイシサンショウウオとは?
アカイシサンショウウオは数十年前から存在は知られていたものの、2004年にようやく新種として登録された種類だ。
サンショウウオ界隈ではレア種として扱われているようだ。生息域が限定的とのことたが、実はまだ全貌を解明されていない可能性もあり、これからどんどん新たな生息地が見つかるかもしれない。
外観の特徴としては黒地に僅かに白い斑紋が入るらしい。写真で見る限り若いイシヅチサンショウウオ にそっくりだが、生活史はかなり異なるようだ。
新たな出会い
3:00AM起床で待ち合わせ場所へと向かう。この時点でかなり酔狂ではある。
ネット界隈で知り合った方との対面は緊張する。そもそも人としての相性が合わなかったり、同じ趣味を持つ者どうしといえど方向性が異なることもあり、対面はお互いにリスクでもあるのだ。
待ち合わせ場所で待っていたのは、ワイルドなハンサム。その装備と風貌はサンショウウオ観察という地味な趣味を持つ人だとは微塵も感じさせない。
しかし帽子の下から覗く眼の輝きは間違いなくサンショウウオガチ勢のそれであった。
アカイシサンショウウオ成体チャレンジ
そしてポイントへ案内していただく。
自分なら絶対に足を踏み入れることはないポイントだ。
人によって探す場所、見つけた時の条件が異なるのもサンショウウオ探しの面白さ。
逆に言えば、サンショウウオは意外と様々な環境に適応して生息しているという証でもあるので、実に興味深い。
しばらく歩くと、早朝にも関わらず吹き出す汗。これぞ真夏の探索。
しばし二手に分かれて探索すると・・・
Y氏が幼体を発見!小さいが、確かにアカイシサンショウウオだ。
テンションが爆上がりしたところで再度探索してみると。
アカイシサンショウウオ成体!
遂に真夏に成体を出す事ができた!
初めて見るサンショウウオ、しかも成体。この興奮はとても久しぶりだ。
まじまじと観察すると、陸生傾向が強そうなのでマホロバやツルギのような旧コガタブチ系かと思いきや、尻尾の先端はイシヅチ系のように平たくなっている。実に興味深いサンショウウオだ。
新種登録されてそれほど経っていないため、これから生活史が明らかになってくるのだろう。
おわりに
サンショウウオが好きな人とサンショウウオ。2つの新たな出会い。
出会いに感謝。出会いこそ我が人生。
誰かに・何かに出会うと、どんどん泥沼にはまって抜け出せなくなっていく。
そんな泥沼人生に乾杯。これからもどんどん出会いを増やし、共に「泥沼の底」を目指していきたいと思う。
底なしの可能性も高いのだが。