
毎年、この時期になると1回は行きたくなるオオサンショウウオの幼生観察。
まだ巣穴から出て間もないと予想して、拡散する前の幼生を探す。
流れの緩い場所がメインだけれど、その前に成体にもご挨拶。

相変わらず元気そうな面々である。人の存在がわかっているのかいないのか、目の前で普通に餌を食べる肝っ玉ぶり。
さすがは川の頂点に君臨するだけのことはある。
川の主登場

しばらく探しても成体ばかりで、幼生の姿はない。
大きく場所を変えようかと思い始めたころ、目の前に巨大な姿。
名に恥じない大きさのオオサンショウウオ。おそらく110cmは超えている。

というか、おそらく出会ったことがあるやつだ。10年以上前に見かけて、その後もちらほら姿を目にしている。
この川には短い区間に100匹以上のオオサンショウウオがいるが、このサイズはこの個体だけ。
まさに“川の主”である。
ただ以前見たときにはなかった傷が頭にある。

それほど古いものではないので、今年の繁殖の縄張り争いで付いた傷だろう。
傷があることで歴戦の猛者のような力強さまで感じる。このぐらいの浅い傷であれば、すぐに回復するだろう。
この個体は50m圏内でずっと行動しているので、10年後もこの場所にいる気がする。生き物の生息地や個体数が減る今のご時世で、それでもたくましくある不変な存在。
次に登場するのは5年後か10年後かわからないが、そのときはまたここに書きたいと思う。
今年生まれのルーキーに出会う

だいぶ本来の目的から脱線した。それなのにかなり満足している自分がいる。
水中撮影もして寒さで手がしびれてきたので、帰っても罰は当たらない。それでもここまで来たからには、行ける範囲の最上流部を目指すことに。
水深が一気に深くなる手前の浅瀬で、小さな小さな姿を発見。

オオサンショウウオの幼生だ。
大きさは4~5cmぐらいだろう。

川の主と比べると同種とは思えないほど大きさに差がある。
不変の存在感はみじんもなく、今にも流されていきそうな頼りなさとかわいさがある。幼生は1個体だけではなく、もう2個体いた。
巣穴からそう遠くないから、この場所に溜まるのだろう。
ずっと水中撮影していたもんだから、手はかじかんで感覚がない。このとき初めて知ったが、寒すぎると常に鳥肌状態になるらしい。
それでも出会えて本当に良かった。

この幼生が川の主になるまで何十年とかかるので、こちらが生きているのは難しいだろうが、できる限りは観察をつづけていきたい。












