『春』
タナゴ釣りの季節。
久しぶりに浮きが沈む姿を見たくなった。
くちゃくちゃになった仕掛けを作り直して、
ウキウキしながら釣り場へと向かう。
到着するなり目に映った光景はカフェオレカラーの川。
ここ最近、雨が降った記憶はない。
ということはあれだ。
“田んぼの季節”というやつだ。
なんとも由々しき事態である。
濁っていても釣れるかもしれない。
釣れるかもしれないけれど、視覚でも楽しみたい自分にとってはヨロシクない。
小魚が泳ぎ回るのを眺めつつ釣りがしたかったわけです。
「どうしたもんかな~」と、呆然としていたけれど、
近場でオヤニラミが釣れることを思いだした。
ただ、そこは“出る”のであまり気が進まない。
取り憑かれようものなら一時間は放してくれないのでね。
しかしながら、時間的にもそこしか行けそうにないので向かうことにした。
おばばポイント到着!
ポイントに着くなり糸を垂らす。
すると、どこからともなく寄ってくるオヤニラミ。
近くで餌を確認するなりパクッと一口。
なんとも可愛らしいサイズ。
こちらはなかなかカッコイイ体格をした一匹。
鰭が赤く染まった綺麗な子も。
赤と青のコントラストが良い。とても良い。
“ヨツメ”とも呼ばれる所以、鰓の目玉模様も魅力の一つ。
サイズも望めないし引きが強いわけではないこの釣り。
ただひたすらに“癒される”。
そんな釣り。
この釣りのゲスト。というか常連客。
問答無用で餌を強奪していく。しかも集団で。
餌無しのジグヘッドだけで少しおちょくると、
愛想尽かしてどこかへ行ってしまった。
これもまた楽しい。
なんかとても心が満たされたので帰路に就く。
まさかのニアミス
車に乗ったところで5m程先に目をやると、あのお方の姿が目に入った。
おばば再臨。
幸運なことに気付かれなかったようで事なきを得た。
また時間がある時に、ね。