ある日のこと。
ビワコオオナマズが釣れなくて、嘆きに嘆いていた夜更けの琵琶湖にて。
光を警戒することもあるので、照らさないようにしていたのだけれど、
あまりの釣れなさに嫌気がさし、
「姿だけでも拝んでやろうじゃないか」
と湖畔にライトを向けた。
すると、小型のナマズが数匹ゆ~らゆら泳いでいる。
マナマズに興味なし
この時点での感想は「マナマズさんですね~」。
もちろん、この時は興味がなく“完全スルー”。
ただ、複数が一緒にいることはあまり見たことがないので、
孤独な夜の寂しさを紛らわす意味も兼ねて友人にLINEで状況を伝える。
「マナマがいっぱいおる~(・_・)」
「マナマ?もしかしたらイワトコじゃね?」
.....IWATOKO?
それは、あれか?『イワトコナマズ』ってやつか?
『岩床鯰』
琵琶湖や余呉湖などに生息し、比較的岩礁地帯を好むナマズ。
この時点での感想「いやいや、マナマズさんでしょw」
マナマズだという自信はあった。
根拠のない自信が。
自分が正しいことを証明すべく、釣り上げて確認してみる。
「やはりな。マナマズか」
“根拠のない自信”が、“根拠のない確信”へと変わった瞬間だった。
マナマということもあって、興味の無さがよく写真にも表れている。
証拠写真を友人に送ってみると、すぐに返事が来る。
「イワトコだな!」
.......。
やはりな。イワトコか。そうだと思ってたんだ。うん。
「マナマズと比べ眼が側面にあり、腹側から確認できること」が大きな違いらしい。
なるほど。
たしかに、マナマズとは違った独特の雰囲気を感じるね(真に都合がよろしい)。
なにはともあれ、珍しい魚と出会うことができて良かったのだけれど、
釣り上げた時の感動は皆無(マナマと思ってたから)だし、
もう少し違う出会い方をしたかったと自分の無知を嘆くのだった。