
いきなりですが、怪魚ハンターにも休日は必要です。
そんな休日に狙ったキュウセンについてご紹介します。
キュウセンってどんな魚?

キュウセンは、スズキ目ベラ科キュウセン属に分類されるベラの仲間です。
生息地は、本州から九州にかけての沿岸に広く分布しています。
関西や瀬戸内では、釣りや食の対象魚として認知され、専用の仕掛も販売されているのですが、関東地方では雑魚扱いをされています。
因みにキュウセンというなんとも愛らしい名前(個人的感想)は神奈川県が発祥とされ、9本の線のように見えるからと言われています。
確かに、ウロコの模様を繋ぐと9本の線に見えますね。
地方によっては、ギザミ(瀬戸内)、ヤギ(島根)、モバミ(鹿児島)なんて呼ばれたりします。

キュウセンと言えば、黄緑色の鮮やかな魚体をイメージされる方が多いと思いますが、実はコレ、オスの特徴なんです。
メスは赤っぽい色をしています。そして必ずオスより小さいはずです。
ベラの仲間は雌から雄へ性転換するちょっと変わった生態を持っています。
群れの中で一番大きく強い個体がオスに変化するのです。
一夫多妻ということですね。
癒しを求めて真鶴半島・三ツ岩へ

仕事柄、ネタとなる生き物を追いかけることが多いのですが、偶には釣果が約束されたような癒しの釣りがしたくなるものです。
それも、できれば何千キロも移動しないで済む近所で2時間程度で遊びたいものです。
無いものねだりは人類最大の課題だと思っています。
ところで真冬に近所で何を釣る...。ウツボ?まーありですが、最近、仕事でも釣りまくってるので気が進みません。美味しい時期なんですけどね。
幸いにも、風が吹かない予報だったのでタイドプールに出かけてみることに。
やってきたのは、真鶴半島の「三ツ石海岸」。初めて来る場所です。

今回用意した餌は「アオイソメ」と「サンマの切身」。
超王道の餌を使って何でも良いから釣ってみよう!
そう、今日は休日だからわざわざターゲットを絞る必要もない訳です。

さっそく、ブラクリに餌を付け、ゴロタ石の隙間に落としてみます。
最近のブラクリってオシャレな物が増えましたね。
今回は試しに「ジャッカル」のエッグショットを買ってみました。
セイゴ針形状のブラクリが多い中、チヌ針形状は珍しいですね。
針の太さも丁度良く根掛かりも少なかったのでオススメです。
コツコツ!
すぐに海から生命反応が返ってきます。こんな真冬に元気いっぱいなのはあいつだろう!
外道の定番・ササノハベラ

フグを予想しただけにちょっと嬉しい誤算です。ほんのちょっとだけね!
今年は暖冬で水温が高いと言われますが、冬場に休眠するはずのベラ達も休みなく餌を探しているようです。
因みにこれは、アカササノハベラです。似た種類にホシササノハベラという種類の魚もいます。
詳しい習性や見分け方などはまた違う機会に。なんてったって今日は休日です。

ササノハベラは順調に釣れ盛ります。まさに癒しです。
ベラ釣りを楽しんでいると、ここでも無いものねだりとの葛藤が始まります。
キュウセンが釣れない!そう言えば、キュウセンをちゃんと狙った経験がない事に気づきます。
記憶をたどると、キス釣りの外道で釣ったことがあります。
砂地だ!移動するぞ!

ゴロタ場から堤防に移動し、ブラクリを大遠投します。
そよ風に乗って捨て石と砂地の境目まで届きました!
着底を待つ前にコツコツと明確なアタリが。ベラはアタリも大きいので釣っていて楽しいんですよ!
上がってきたのは・・・
メスのキュウセンです!なんか...めっちゃ嬉しいぞ!w
ベラごときですが生き物の好む環境を的確に捉えることができた瞬間って何とも言えない満足感に浸れるんですよね。今がまさにその瞬間です。
こうなれば、オスのキュウセンも釣り上げたいところ。

アオイソメを付けなおし同じポイントへ再び大遠投です!
狙い通り明るい緑色が美しいオスのキュウセンが上がってきました。
もう大満足です。晩御飯分釣れたところで帰宅です。ちょうど3時間の実釣となりました。
キュウセンはウロコを付けたまま塩焼きに

ベラは食べても美味しい魚です。関東の人は持ち帰らない方が多いようですが...。
本当にもったいないと思います。
20cmを超える大物はお刺身にしても良し、小さいものは塩焼きがオススメです。
塩焼きはウロコをつけたまま、強めの塩で焼き上げると、身が蒸し焼きのようになり大変美味であります。
皆さんもベラが釣れたら是非、試してみてください!