ドジョウと言えば「ドヨーン」とした水の泥底にいるイメージ。
“綺麗な水”を思い浮かべる人は少ないだろう。しかし、ドジョウの中には山深いとても綺麗な渓流や沢に生息する種類がいる。
それが『ナガレホトケドジョウ』。
普通のドジョウに比べスマートで顔も小顔だ。「ホトケドジョウ」という種類もいるけれど、ナガレホトケは目から口にかけて黒い帯が入るので区別できる。
夜行性で昼間に探すことは難しい。生息地についてまとめると「山深い所にある渓流や沢」。
探すのであればさらに「夜」という条件付き。こんな経緯もあって人の目にはつかず存在すら知らない人も少なくない。
個人的にはちょっとした“珍魚”である。そんな稀有な魚を探して夜の森を徘徊したお話。
ナガレホトケドジョウの観察記を動画で見る
ナガレホトケドジョウを動画で見たい方場合は、こちらからご覧ください。
別日に観察したものなので記事の内容とは異なります。
ナガレホトケドジョウを探して
場所は岡山県。本州における分布では西限にあたる。
実は以前に当ブログに登場したことがある。
その時はおまけだったし、もう何年も前のことだから久しぶりに見に行きたくなった次第です。
目星はつけているものの、場所は新規開拓。新鮮な気持ちでポイントへ向かう。
夜の森を歩いて沢へ
車を道路わきにとめて、森に入っていく。
ポイントまでは10分ほど歩くことになる。
クモの巣をくぐりながら、生き物がいないかと浮気性を発揮しつつ進むものの、サワガニとイモリがのんびり歩いているぐらいだった。
ちなみにこの辺りはツキノワグマがいる地域。クマ除けの鈴を携行して周囲に気を配りつつ進む。
クマだけでなく夜の山は危険がいたるところに潜んでいるから、入る際は「自己責任」という言葉を心にとめておかなければならない。
生息する沢
そうこうしているうちに目的の沢に到着。
しかし、上流から入って濁らせてしまった。失敗。これじゃあ見えないので少し場所を移す。
ナガレホトケドジョウに遭遇
上流に移動し、気を取り直して観察を再開。濁らせないようにそっと水中の流木を退ける。
すると小さいながらも「ナガレホトケドジョウ」の姿を発見。
この「ドジョウのようでドジョウでないフォルム」がいい。伝わるかな?伝わらないよね。
当の本人は状況をのみ込めていないようで微動だにしない。と思ったのも束の間、スイッチが入ったように泳ぎ始めた。
写真が撮りにくい、、、。頑張って撮るけれどブレブレ。
こんな時に「お魚観察ケース」があれば話は早いのだけれど。
次回はちゃんと準備して臨みたい所存です。濁りもとれただろうと先ほどの溜まりを覗きに行く。
すると5匹ほどのナガレホトケドジョウがライトに驚いて、狂ったように石の下へ。まとまった個体数が生息しているようで一安心。
おわりに
なにはともあれ無事、「ナガレホトケドジョウ」に出会うことができた。
山奥にひっそりと住む彼ら。人目につかないからこそ、配慮もなく生息地が壊され知らないうちに消えてしまうことも。
「存在を知る」だけでも大きな違いなので「こんな生き物もいるんだな~」程度に心にとめていただけたら幸いです。