-明日も捜せ- ハコネサンショウウオ 2Days

約2か月に及んだ自粛生活。

遂に山へ行ける日がやって来た。

もはや「サンショウウオを見つける感覚:サンショウウオアンテナ(by Kazuho)」の感度も鈍りまくっている感が否めないが、自粛明けはまずはコイツ!と決めていた。

ハコネサンショウウオ成体である。

ハコネサンショウウオ探し:Day1

2か月ぶりの探索。

自粛期間がサンショウウオシーズンと重なってしまい全く身動きが取れなかった。

正直、しばらくサンショウウオのことは忘れていた。

しかしカラダはサンショウウオを見つけたときに迸る、中毒性たっぷりのアノ快感をしっかり記憶していたようだ。2カ月ぶりの出発に、いつになく興奮していた。

この快感が人をダメにする。

「ハコトレ」開幕

冒頭にも触れたが、今回のターゲットはハコネサンショウウオの「成体」である。

今までKazuho氏とも何度か挑戦してきたのだが、時期が悪いのか、探し方が悪いのか、もしくは2人とも日頃の行いが悪すぎて神様に見捨てられているのか、安定して出すことができない。

この課題感を払拭することこそが今回の最大の目的である。もはや趣味というより、一種のスキルアップや自己研鑽でもしているかのような感覚なのでこの取り組みを「ハコネトレーニング(略称:ハコトレ)」と呼ぶことにした。

近頃は人間の外出自粛により市街地にも野生動物が出没している、と連日のニュースが教えてくれた。

動物避けとして新兵器「爆竹」を携え、現地へ向かったのだった。

なんだか物騒になってきたぞ

タゴガエルに包囲された

装備を整え、まずは爆竹を炸裂させる。

爆竹ってこんなに大袈裟だったか?兵器感あるよね。周囲にいた野生動物は全て逃げ去ったかに思えた。少なくとも鹿が逃げるのは確認した。

しかし次の瞬間、自分はタゴガエルに包囲されていることを知ることになる。あらゆる方向からタゴガエルの特徴的なうめき声が

爆竹をものともせず、子孫繁栄に勤しむ彼らであった。

タピオカみたいな卵と、それを見つめる親(右端)

3年目幼生との出会い

おそらくこれからハコネサンショウウオの繁殖期が始まるはず。

しかしこの時期の探索は初めてなので勝手がわからない。いろいろな可能性を考慮して、ひたすら探してみる。数時間探索したものの、一向に見つからない。ミミズ、サワガニ、タゴガエル、カワゲラが大漁である。

ハコネサンショウウオは地中深くの伏流水で産卵するそうなので、もはや人間には太刀打ちできない地下深くへ潜行してしまったのかもしれない。

改めてサンショウウオ探しの難しさと自粛による体力の衰えを痛感しつつ、ダメもとで岩をめくると見覚えのある動きが。

ミミズやカワゲラとは明らかに違う動きだ

ハコネサンショウウオ3年目幼生だ。

ハコネサンショウウオは他の小型サンショウウオと違い、3年という長い期間を幼生として過ごすせいか、サンショウウオの幼生とは思えないほど大型で力強い。掴むと並の小型サンショウウオ成体ほどの圧を感じる。

成体こそ見つけられなかったが、久しぶりのサンショウウオ探しにある程度の満足感を得て1日目を終えた。

ハコネサンショウウオ探し:Day2

「自分の直感を信じてみる」

文献や論文、自分のこれまでの経験を参考にロジカルに事を進めた1日目

結果、幼生は見つかったものの成体には出会えなかった。

こういう時は「自分の直感」というロジカルさのかけらもない根拠をもとに、エモーショナルに動いてみることにした。

固定観念を捨てた結果

直感で選んだポイントは、これまでハコネに出会ったポイントとはまったく雰囲気が違う。しかし自分がサンショウウオだったらこんな環境に棲みたいと思わせてくれるような、ユートピア感溢れる環境である。

「何かしらサンショウウオ出てきたらいいな」くらいの感覚で調べる。

すると・・・

成体だ!

ハコネサンショウウオ成体!

まさか出るとは思わなかった。だってハコネ感ゼロのポイントだから。この時期に後肢が肥大化していないし尾も短めなのでメスのようだ。

小さい方は残念ながら尾がちぎれかけ、骨が露出していた。そんな状態でも元気に動き回る姿から、サンショウウオの生命力の高さも感じることができたのである。

ハコネ成体のスピード感は半端ない。彼らは”走る”のだ。
同じハコネでも東日本と西日本では体色の変異が大きいそうだ
無造作に散りばめられたオレンジ色の斑紋がかっこいい
動きと体型はサンショウウオというよりヘビやミミズに近い気がする

終わりに

「追い越し禁止」のセンターラインの色を見て「ハコネっぽいなー」とか思ったら病気確定である

今回は自粛期間も重なったことで、ハコネサンショウウオの成体の動向をみっちりと調べ上げるには不利な状況であった。

しかし繁殖期付近の行動を垣間見ることができたので、なかなか価値のある探索になった。

今後もハコネに関しては年間を通じて動向を探っていきたい。ハコトレの道は長く険しそうだ。