
心地よい陽気の11月半ば。
サンショウウオの生息場所を新規開拓するべく、kemurさんと中国地方の山を探し回るも成果はなし。言い訳をすると、二人とも寝不足でガス欠気味だったのが原因だろう。
序盤でエネルギーを使い果たし、その後は良さげなポイントを見つけても「たぶんいるんだろう」という言葉を残して、足を踏み入れないことが多々あった。
さぁ、どうしようか。
人は疲れたとき、より手堅い選択肢を選びがちである。そんなわけで、実績のある鳥取のヒダサンショウウオポイントに向けて舵を切った。
ヒダサンショウウオを探して鳥取の山奥へ

実はこのポイント、最近見つけたばかりでポテンシャルは計り知れない。
林道をさっと流しただけでヒダサンショウウオの成体を2個体見つけたものだから、本腰入れて観察してみたいと思っていた。
時刻は15時頃、このタイミングで山に入ると帰る頃には日が暮れているはず。過去に遭難した経験があるので、ライトは欠かすことができない。
準備を済ませ改めて重い腰を上げて、サンショウウオ探しを始める。
倒木の下にハコネサンショウウオを発見

林道を歩き始めて30分ほどしたころ、良い感じの倒木を発見。
ヒダを見つけたポイントよりも下流ということもあって、あまり期待はしていなかった。
ところが、予想外の出会い。

ハコネサンショウウオの成体!
もちろん、このポイントでは初のこと。二人して驚いたのは言うまでもない。

蛍光オレンジのラインが美しく、何度見ても見惚れてしまう。

東北で同じハコネサンショウウオ属の「キタオウシュウサンショウウオ」を見たことがあるけれど、それよりも刺激が強いカラーリングをしている。

一見、派手に見えるが落ち葉の中に隠れると見事に保護色に。

生き物の色合い然り模様然り、よく考えられているとつくづく実感する。

突出した目がとてもかわいらしい。

幸先よく発見できたことに加え、この山のポテンシャルを再確認してテンションが上がる。
ヒダサンショウウオ探し、再会

もう少し時間があったので上り詰めてみよう。
いつの間にかすっかり日が暮れて、ヘッドライトを使わないと厳しい時間帯になっていた。薄暗いなか石をひっくり返したり倒木を起こしたりしたけれど、一向に姿を見せない。
流石にそんなうまい話はないようで、疲労も溜まってきたので帰路につく。
サンショウウオ探しの醍醐味

結果だけみるとハコネサンショウウオ1匹だけれど、豊かな自然のなかで仲間と一緒に運動できることを考えると恩恵は大きい。
サンショウウオ探しの醍醐味はサンショウウオだけにあらず。