え、またヒダですか?何度も登場してるじゃないですか?他にネタないんですか?
おっしゃる通りなのだが、またしてもヒダの記事を書かせていただこうと思う。
みんな大好きヒダサンショウウオ
サンショウウオ愛好家の間ではそう言わている、はずだ。そう信じている。
比較的探しやすく、分布域も広く、しかも見た目が美しい。何ともバランスが取れた汎用性の高い優秀なサンショウウオである。
振り返ると、本格的な繁殖期には観察したことがない。いや、何度かチャレンジはしたものの見事に的を外してしまっていた、という方が正しい。
今年こそ「沢にたくさん集まるヒダサンショウウオ」を観察したい。そう願って沢へ向かった。
本格的な水中戦
以前にも書かせていただいたかもしれないが、筆者は水中戦が得意ではない。
沢の底砂を舞い上げてしまうことになるので、視界が悪くなかなか探しづらいからだ。さらに、経験者にはご理解いただけると思うが、彼らのボディは水中ではスルリスルリとよく滑るためなかなか捕まえることができない。
しかし、「本格的な繁殖期=水中戦」のため覚悟を決めてチャレンジ。
Welcome to Hidassick Park!
現地に到着し、予想以上の水かさにモチベーションを搾取されそうになったが、意を決して岩を1つめくる。
出た!いきなり出た!”繁殖期ど真ん中“感ありありのムキムキな♂。しかもド派手なカラーリング!手に取った瞬間の抵抗力も物凄い。
コツを掴めたので怪しげな岩を持ち上げていくと。
次から次へと出てくる出てくる!1時間弱で10数匹発見。
注目すべきはこの激しい個体差である。
何度観察しても全く飽きない。
この中毒性は脅威だ。幾つでも記事を書けてしまうのではないか?とライターを錯覚させてしまう、恐ろしい魅力。これこそがヒダサンショウウオの最強の武器なのかもしれない。
(*観察後、リリースしています)
歴戦の猛者たちに敬意を
サンショウウオは成長が遅いため、繁殖可能になるまで5-10年ほどかかるとも言われている。
今回見つけた個体たちはどれも体格が良く、大型だ。彼らはおそらく、厳しい自然環境の中で10年以上生きながらえてきた、言わば歴戦の猛者に違いない。
これまで何度も繁殖し、子孫を残してきたことだろう。そんな猛者たちに敬意を払いつつ、写真を撮影してリリースさせていただいた。
これからも数多くの子孫を残して繁栄してほしい。大量に捕獲されてネットオークション等に出回るようなことがないよう願うばかりだ。