“オオサンショウウオ(大山椒魚)”
岐阜・三重以西の本州や九州などに分布し、主に山間部の水の綺麗な河川に生息している。
「特別天然記念物」に指定されているが、
指定される以前はタンパク源として食べられていたらしい。
ただ、近年では生息数の減少とともに「チュウゴクオオサンショウウオ」との交雑が問題視されている。
珍しい生き物の代表格の様な存在であるオオサンショウウオだけれど、
自分にとっては割と身近な存在だった。
祖母の家の近くに結構な数生息していて、釣りに行くと呼吸しに水面に上がってくる姿を目にしていた。
けれど、幼かった当時はあまり興味がなく、むしろ怖いとすら思っていた。
だって、あれだけの巨体かつ黒い生命体が水中から「ヌヌ~ッ」っと上がってくるわけだから...(笑)。
そんな「マイナスの印象」を持ちつつ、気付けば大人になっていた。しかし、ある日。
親しい友人が「オオサンショウウオが見てみたい!」と、のたまう。
子供の頃と違って珍しい生き物に関心を持つようになっていたので、二つ返事でOK!
ていうか、自分自身も「見てみたいスイッチ」が入ってしまった(笑)。
距離を置くことはあっても自分から観察することはなかったから、
改めてしっかり観察してみたいと思ったわけです。
オオサンショウウオマスター?ばあちゃん
そうと決まれば情報収集!方法は一つ!
「ばあちゃんに聞く」である(笑)。
ばあちゃんは散歩を日課にしていて、オオサンショウウオが居着く場所を観察するのが楽しみだそうな。
話しを聞くと一か所で5匹近く見れることもあるらしいが、季節も関係するとか。
時間帯も想像とは違って明るいうちだと。
ふむふむ。
やたら詳しい。凄いなばあちゃん。
そんなこんなで、ばあちゃんから聞いた情報をもとに友人と散策を開始しようと現地(祖母の家周辺)に向かう。
オオサンショウウオ観察
時期は7月半ば。
到着早々、友人が一言「おった!」
車を運転しつつ川を見てたら尻尾が見えたらしい。
半信半疑で確認してみると...
たしかにそれっぽい。確信を得ないので近づいてみると...
ほんまもんやった!
開始と同時に任務達成である(笑)。
この場所で目撃したことはなく、どうやら前日の台風の影響で上流から流れてきたっぽい。
70cm前後の個体が多い中、この個体は1m近く見える(目測)。
呼吸のために水面に浮上。
観察すればするほど不思議な生き物だな。
目はとても小さく、正につぶらな瞳!
手は思ったよりも小さく、あかちゃんの手みたいでカワイイ。
遊泳力はそれほど高くないのか、流される場面もちらほら。
しばらくするとボサ下に隠れて出てこなくなってしまった。
この辺りの地域は自分が幼い頃からほとんど環境が変わっておらず、ほんとに昔のまま。
そのため、今も昔もオオサンショウウオにとって安心して住める場所なんだろうね。
オオサンショウウオの気になるお味は?
その後、祖母の知り合いの方に話を聞くと確かに昔は食べていたとのこと。
味は「鶏肉のような味」と聞きました。
とても興味深いですが、これは叶わぬ夢ですね...(笑)。
また、来年、定期的に観察してみます。