熱心なトトコレ読者から「ハコネサンショウウオの記事が多い」というありがたいフィードバックをいただいた。
我が推しサンショウウオなので勘弁いただきたいのだが、読者の声は大切にしたいもの。
ということで、たまには他のサンショウウオにもアプローチしてみた話。
新規開拓か?既存周回か?
結論を述べる前に、新規と既存の魅力の違いを説明しよう。
新規: 見つけた時の「興奮」。中毒性が高い。
既存: 再び出会えたときの「安心」感。癒し効果あり。
要は「興奮vs安心」の戦いなのである。
近頃は年齢のせいだろうか、安心を求めがち。
その昔、狂気とともに新規開拓ばかりに走っていたため「新規疲れ」があるのも事実。
さらに今回のターゲット:マホロバサンショウウオの新規開拓となると、ガレ場での作業が中心となるため、かなりの労力を奪われることになる。
脳内で興奮と安心が戦った末、今回は安心が勝利を納めたので、懐かしい既存ポイントを2箇所、周回することにした。
ポイントA
今回は訳あって実家からのアプローチになるため、過去に実家から新規開拓したポイントを2箇所ピックアップ。
まずは下記に登場した通称ポイントAだ。
約4年ぶりの訪問である。
変わらず生息してくれているだろうか?
この日は気温が高かったため日中は地底深く潜っているだろうと予測し、気温が下がる夜間にアタックした。
ポイントに到着して驚いたのが環境の変化。
やたら乾燥しているではないかっ。
これが世に言う「山の乾燥化」というやつか。
嫌な予感がしつつも探索を開始。
サワガニばかりが出てきて乾燥化が進んでもひたむきに生きる彼らの生命力を感じていると、遂にガレ場の奥底から1匹の成体が現れたのだった。
ポイントB
車を走らせ次なるポイントBへ。
こちらも4年ぶりの訪問になる。
下記の通り、4年前は幼体しか見つけられなかったので今回は成体を見つけたいもの。
いつの間にか夜が明けていた。
サンショウウオ探しをしながら朝を迎えたのは初めての経験だが、なかなかに奇妙だ。
こちらの環境は以前と変わらないようで一安心。
探索すること約30分。
やはり旧コガタブチ系サンショウウオの探索はしんどい。
成体発見への意気込みはどこへやら。
諦めて帰ろうとした瞬間、小さな顔がこちらを向いていた。
おわりに
環境の変化もあったが、今回は無事に2ポイントとも生息を確認することができた。
既存周回の安心感は、実は「変わらず生息していて安心」という意味合いが強い。
その逆の結果を想像すると非常につらいものがある。
これからもサンショウウオたちが変わらず生息できることを切に願うところである。
我々ウオラーには何ができるだろうか。