冬なのでオオサンショウウオの幼生を探して観察してみる

オオサンショウウオといえば、1mに迫る巨大な姿を思い浮かべる人が大半だろう。

しかし孵化したばかりの幼生は小さく5cmにも満たないため、成体よりもはるかに探しにくい。さらには巣穴から出て拡散すると、石や植物の隙間に潜むようになるのでハードルはもう一段階上がる。

そんな少し珍しい成長段階のオオサンショウウオを探してみたお話。

オオサンショウウオは捕獲・運搬・飼育すべて禁止

オオサンショウウオは「特別天然記念物」です。文化財保護法で守られているため、捕獲はもちろんお触りも厳禁。観察するなら写真だけにしましょう。

動画で見たい場合は、こちらからご覧ください。

初めてオオサンショウウオの幼生を観察したのは3年前の2月

オオサンショウウオの幼生を意気込んで探したのは数年前のことで、当時は深夜に真冬の河川に入水していた。

もちろん、ウェーダーは着ていたものの震えるほど寒かったのを覚えている。最近はそんな根性はないので、陸地からぷら~っと探して遠目に眺めるぐらいがちょうど良い。

幼生がいそうな流れが緩やかな場所を探す

観察してわかったことだが、巣穴から出て拡散中の幼生は遊泳力がびっくりするぐらい低い。

流れに乗ろうものなら、木の葉のごとくユラユラしながら下流に流されていく。そのため幼生を探すなら、「流れが緩やかになってゴミや落ち葉がたまる場所」がベスト。

餌になる水生昆虫も多いから幼生にとっても好都合だろう。

巣穴が近いと確率が高い

もう少し突っ込んだ話をすると、巣穴から逆算して最初の流れが緩い場所を探すとさらに見つけやすい。

巣穴は、護岸のえぐれやオオサンショウウオが横穴を掘ってもくずれない硬さの土砂堆積がある場所に多い。そういった場所の下流で、ゴミや落ち葉などがたまっているポイントを探す。

オオサンショウウオの幼生を発見!

ヘッドライトで照らしながら良さげな場所に目をやると、幼生を発見。

遠目に見ても黒いので意外とわかりやすい。最初はイモリの幼生と近いものを感じたが、ボリュームが大違いだ。

1匹見つかると、その周辺を探せば複数匹見つかる可能性が高い。同じ巣穴から出て、行きついた先がこの場所なのだろう。

こんな小さな幼生が1m近い大きさに成長して、大の大人でも制御できないパワーになるとは。

なかなか想像しにくいけれど、5mほど横に70cm程度の成体が鎮座していたので納得せざるを得なかった。

オオサンショウウオは成体だけでなく幼生も魅力的

大迫力の成体も好きだけれど、小さくてかわいい幼生も見ていて楽しい。

また成体だけでなく幼生もいるということは、繁殖サイクルがうまくいっている証拠なので良い環境ともいえる。

記録的な豪雨や工事などの影響を受けながらも、しっかり生きている姿には力強さを感じるし、この先もずっと観察できればと思う。

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