-紅葉見物指令-  新種マホロバサンショウウオ登場

前回のツルギサンショウウオ探索(下記の記事参照)で Kazuho 氏から小型サンショウウオを見つけるための"何か"を授かった自分。自分の戦闘力がどれほど向上したのかちょっと確かめたくなった。それを確かめるにはちょうど良さそうなポイントを発見。観光も楽しめそうだ。「紅葉を見に行こうぜ」と生き物観察に全く興味がない友人を拉致し、あくまで紅葉見物を主目的として生息地へ向かった。

観光気分を装って?

生き物観察において重要だと感じることがある。それは「私欲に溺れないこと」だ。生息環境に配慮することはもちろん、同行者がいるときは同行者に配慮すること。どうしても自分が見たい生き物(ターゲット)がいたとしても、ぐっと我慢だ。家族だろうが友人だろうが、同行者ファーストの精神が重要。 今回はあくまで「紅葉見学」、観光が目的だ。 過去の経験上、ターゲットのことなど忘れて他の事に没頭していると副産物的にターゲットが現れることがよくある。実はこれが黄金の勝ちパターンかもしれない。

同行してくれた友人は神社好き。うーん、趣味って人それぞれ。

せっかく遠征するなら

小型サンショウウオは野鳥のように都心部の公園でも観察できるようなケースは稀なので、ほとんどが遠征、またはプチ遠征になることが多いのではないだろうか。せっかく遠征するなら、その土地の名物や観光スポットも楽しもう。その方が人生が豊かになる。

有名観光スポットも訪問!

山歩きっていいよね

友人が愛する神社や観光スポットを周遊しながら、予定より遅く目的地に到着。しかし残念、紅葉はまだもう少し先だったようだ。友人とゆっくりと日帰りドライブ旅行なんてなかなか機会がなかったので、それだけでも十分楽しかった。この時点でかなり満足ではある。しかし、せっかく山間部まで来ているので、ちょっと散歩してみることに。

ちょっと早かったかな?

山の空気はおいしい。サンショウウオ観察を続けていたら、いつしか山間部を歩くことも楽しみの1つになった。山の匂いや適度な湿度を感じつつ沢を歩く。最高ではないか。少し歩くと、なんとも怪しいポイントが目の前に広がっていた。

修行の成果を見せてやる!

怪しい。実に怪しい。まるでツルギサンショウウオを見つけたポイントを少しコンパクトにしたような。そんな環境だった。 自分の下調べは間違ってはいなかったようだ。

修行の成果を見せてやる!某亀仙流の武闘家のように意気込みつつも、殺気は出さずに静かに掘ってみた。

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ぃたぁぁぁぁぁ!!!!

自分の怒号が山に響いた。友人はどん引きである。この広大な山肌から1か所を絞り込み、小さな岩を2つ3つめくっただけで1匹の小さな生き物(実際は大きめだけど)を探し当てたのだから。友人曰く「履歴書に書けない無駄スキル」。うむ、そのスキル、 Kazuho 氏からしかと受け継いだぞ。

(※写真はイメージです。一時的に採集して撮影しています。)

コブチ卒業生のひとり・マホロバサンショウウオ

以前にも別のポイントで見たことがあったので初見ではないにせよ、自力で見つけたのは初めてなので嬉しさは一入。しかも特大でかっこいい個体だ。ヒダサンショウウオくらいのサイズ。視界に飛び込んできたときは、その斑紋も相まってブチサンショウウオかと誤認した。

マホロバサンショウウオはツルギサンショウウオと同じく、2019年にコガタブチサンショウウオから細分化されたコブチ卒業生の一種。個体差はあるにせよ赤みがかった小豆色が美しい種。ヒダやハコネにはない、渋い魅力が炸裂している

おわりに

やっぱり自力でポイントを絞り、友人を合意のもと拉致し、自らの勘を頼りに1匹見つけられたことは嬉しい。成長期の子供のようだ。おとなになっても成長は嬉しいもの。 サンショウウオ探索においては自力で見つけること以上の嬉しさはない。今回、マホロバを見つけたことでさらに自信が付いた。次回はどうするか。近々、実家(中部地方)に帰る用事ができた。これは、チャンスかもしれない。