前回の探索で2年前に出会ったエリアの成体たちにも再会することができ、感無量。
しかしまだまだ「いろいろな観点」からアプローチできていないため、ハコトレは終わらない。
今回は「雨の日にハコネサンショウウオは何やっているのか?」という観点を実際に検証してみた。
サンショウウオは本当に雨の日は出歩いているのか?
ネット界隈や有識者の話、数々の書籍によるとどうやらハコネサンショウウオは他の種類よりも積極的に移動するらしい。
その瞬間を捉えたであろう、雨で濡れたアスファルトを歩くハコネサンショウウオの写真をしばしば目にする。
アスファルトサンショウウオ・・・実にそそられるではないか!(病)
見つけるにはわざわざ雨の日を狙って山に突撃するしかないのでソロでいこうと思っていたら、なんと同行希望者出現。
こんな酔狂なチャレンジに同行してくれるのは彼しかいない。
アカイシサンショウウオを案内してくれたY氏である。
アスファルトサンショウウオを探せ
Y氏と合流し、実績のあるポイント周辺へ。
雨の日にゆっくりと運転して道路上にいる生き物を探すと、奄美大島等で生き物を探していた時代を思い出し、なぜか燃える。
残念ながらアスファルトサンショウウオはそれほど甘くなかったようで、見つけられないまま実績ポイントに到着してしまった。
ここからはプランB発動。
夜の沢へ突撃である。
*夜間の沢はリスクが高いため、突撃はおすすめできません。
やはり出歩いていた
これまで10回以上訪れている、いわばMyフィールドではあるのだが夜間は初である。
そして軽く夜間観察の洗礼を受けることに。
・・・いつものポイントに辿り着けない。
これぞ夜間観察の恐ろしさである。
通い慣れたポイントとは言え、全く油断できない。
霧も発生していたことから、あまり深追いせずに近場を捜索。そして先行するY氏から待ち望んだ一声。
「いました!!」
この瞬間、経験したことのない安堵感に襲われた。
自分で見つけたフィールドに誰かを案内し、先にターゲットを見つけてもらった時に襲いかかる謎の安堵感。
これも謎の中毒性を誇る。
ネイチャー系ガイドの皆様のモチベーション、いや、志といったものに少しだけ触れられた気がした。
しかもY氏が見つけたのは、これまでに見たことのないような最大サイズのハコネサンショウウオであった。
"橙色チーム"の生息地かと思いきや
ここで1つの発見。
以前からこのポイントではハコネサンショウウオ成体を見つけてきたのだが、どれも橙色の個体だった。
しかし今回は黄色だ。
ハコネサンショウウオ界隈では「東の黄、西の橙」と言われており(?)このポイントは全て橙色の個体だと思っていた。しかし今回見つけたサイズが異なる2匹はいずれも黄色だ。
となると、成長とともに色が変化するわけではなく、生まれた時から黄色か橙色かが決まっており、さらにこのポイントには両群が混成していることになる、と思われる。
思わぬ発見に、さらにハコネサンショウウオをこじらせることとなった。
アスファルトサンショウウオ現る!
まだまだ体力もモチベーションもあったものの、夜間観察は引き際が肝心である。
夜の森を徘徊することにより発生するリスクは避け、森を出て道路をのんびり歩いて生き物を探すことに。
雨は降っているものの、なぜかカエルも出ておらず、静かな夜。そろそろフラグが立ったか?と思われた次の瞬間。
Y氏の足元からアスファルトサンショウウオ!!(正確にはハコネサンショウウオ)
この男、もっている。何かもっているぞ。
ネット界隈で見て憧れ続けていたアスファルトサンショウウオが目の前に。
短時間でこのストーリー展開はどう考えても出来過ぎだ。
こういう時こそ、引き際が肝心。
近々再会しようと約束し、雨がひどくなる前に帰路についたのだった。