実家でのんびりと過ごす冬休み。15年ぶりくらいだと思う。
何もせずゆっくり過ごそうと決めた。前回のサンショウウオ観察で左薬指も骨折してしまったし。
目ぼしいサンショウウオ生息地も雪に埋もれているはずだ。
しかし突如として天気予報に現れた、全国的な異常気象。
・・・最高気温17℃ (東京)
雪は、溶けているかもしれない。
1本!1本じっくり!
せっかくの異常気象である。
平年なら雪や凍結のリスクがあり行きづらい場所に行くことにした。
今回は一眼レフも持参しなかった。撮影機材はスマホだけだ。
もはや撮影意欲は完全に消え失せた。地形や天候などの条件を頭にインプットし、 サンショウウオの動きを予測して、 目標を探し出す。それがゴール。
有酸素運動時の心地よい汗。適度な筋肉疲労。
最短発見記録を更新したときの喜び。
もはや完全にスポーツである。
左手はそえるだけ
「体より頭を動かせ」・・・おそらく、誰しも一度は言われたことがあるだろう言葉。
サンショウウオ観察においても体より頭を動かすことに注力した方がよいことがわかってきた。居場所を必死に考える。
岩をめくったりすることは最小限にとどめる。左薬指(第一関節)を骨折しているせいもあり、いつもより頭が動いた。
なかなか良さそうなポイントが見つからないものの、この周辺では最良であろうポイントを発見。
試しに手を動かしてみる。
ヒガシヒダサンショウウオ越冬幼生。
初見である。小さすぎて虫だと思った。
水の中にいるとばかり思いきや、ちょっと予想外の場所から現れた。これも新しい発見。
こういう新発見がサンショウウオ観察の醍醐味だ。
お前がエースや
もはや越冬幼生だけで満足感たっぷりだが、体力はまだ十分。
「まだあわてるような時間じゃない。」
そこで少し移動して別のポイントに脚を伸ばしてみた。すぐさま非常に怪しい岩を発見。
祈りを込めつつ、めくった。
目に飛び込んできた眩しいレモンイエロー。
サンショウウオだとわかったが、ヒガシヒダサンショウウオには見えなかった。
黄色の分量が多すぎる。
そしてやってくるデジャヴ。当トトコレの人気記事:沢に虎?である。
どこからどう見てもヒガシヒダには見えない。
ヒガシヒダは黄色の模様が少なく、地色の紫褐色の方が目立つ印象だ。こんな個体もいるのか。
サンショウウオ観察の楽しみ方が大きく変わった気がしたのはどうやら本当だったようだ。
こんな綺麗な個体を見つけたということは、いつもなら一眼レフで撮りまくるところだ。しかし スマホで撮るだけで十分満足できた。
この記事のtopにある写真も、もはやタッパーの中にいる写真である。(観察後、リリースしています)
いいからテーピングだ!!
やはりスポーツ感覚楽しんでいる自分がいる。
とはいえ、自然へのリスペクトは忘れていない。
例えるなら登山と釣りを足して2で割ったような感覚か。生き物観察の中でもなかなかにハードルが高いジャンルだ。
しかし、スキルが身についてくると指を骨折していても(故障していても)試合に参加させてしまう魅力を持っている。
選手生命に関わるかもしれない。しかし、やっとできた気がした。
「ダンコたる決意ってのができたよ。」