
[前回までのあらすじ]
偶然、ハコネサンショウウオのホットスポットに降り立った筆者。
3時間で60匹以上を発見するという文字通りホットな観察を楽しんでいると・・・
苔のうえに巨大な黒い影
生き物には条件が良かったのか、森のなかでは大量のハコネサンショウウオ以外にもおなじみの生き物たちが蠢いていた。



ふと振り向くと、苔の上に明らかにハコネサンショウウオとは異なる巨大な黒い影が鎮座している。

・・・オオダイガハラサンショウウオ!!
長年、サンショウウオをやっているものの、実は成体を見るのは初めてである。
久しぶりに高鳴る鼓動。
初めての1匹で味わうことができる感動は、何にも代えがたい。
しばらくするとヘッドライトを警戒したのか、ずりずりっと岩を下っていったので追いかけて観察してみよう。
オオダイガハラサンショウウオを観察
※オオダイガハラサンショウウオは三重県・奈良県・和歌山県の天然記念物に指定されており、採捕・飼育など禁止されています。今回も触らず観察しています。

イシヅチサンショウウオと近縁ということで、イシヅチのあのスピード感を期待してしまうが、この個体はやけに動作がゆっくりだった。

イシヅチよりも尾が短く、頭が大きな感じがする。
まあ個体差かもしれないけどね。

イシヅチサンショウウオと共通する茄子カラーが激シブ。
別のポイントで見つけた「謎サンショウウオ」は、実はオオダイガハラサンショウウオだったのかもしれない(下の記事参照)

おわりに
やはり一晩で複数種のサンショウウオが観察できると嬉しいものである。
今回は運よく両方を観察できたが、種類によって観察できる条件が異なるかもしれない。
あと、なぜか幼生は1匹も見つけることができなかった。
次回以降はそのあたりを追求してみようと心に決めつつ、再訪を誓うのであった。

[関連記事]