サンショウウオ探しは果てしなく辛く、しんどいもの。
1種類見つけるだけでも相当な苦労を要する。
なんともたいへんなサンショウウオ探しだが、なんと1種類見つけたらもう1種類見つかってしまうパターンがあるという。
果たしてその真相は??
なぜ1か所から複数の種類が見つかるのか?
答えは簡単。
同じ環境に複数種類のサンショウウオが生息していることがあるからだ。
ひとくくりに同じ環境といっても微妙に棲み分けている場合もあり、実に興味深い。
筆者がこれまで経験した組み合わせをご紹介。
・ヒダサンショウウオ&ハコネサンショウウオ
・ヒガシヒダサンショウウオ&ハコネサンショウウオ
・ツルギサンショウウオ&イシヅチサンショウウオ
・オオダイガハラサンショウウオ&ホムラハコネサンショウウオ(?)
・チュウゴクブチサンショウウオ&ハコネサンショウウオ
・ヒダサンショウウオ&ヒバサンショウウオ&ハコネサンショウウオ
振り返るとこれだけある。
けっこうあるな。
一ヶ所から複数種類が見つかることは決して珍しくないということがわかる。
これはサンショウウオたちが巧妙に棲み分け、太古の昔から共存してきた証である。
これぞ大自然の浪漫ではないかっ。
たまには興味深いことを発見してしまう筆者である。
この趣味の醍醐味といっても過言ではないかもしれない。
ハコネサンショウウオを観察していたら謎のサンショウウオが見つかった
筆者が経験した最新の体験をご紹介。
もはや条件の良い日のルーティーンになりつつある、ハコネサンショウウオ観察を楽しんでいたある日。
条件が良すぎたのか、ハコネサンショウウオ以外の生き物もたくさん蠢いていた。
ふとある苔蒸した倒木に目をやると、まるでヤラセ写真のように1匹の生きものが佇んでいる。
・・・サンショウウオだ!
しかし、ナニサンショウウオ??
え、これってまだ見ぬ新種!?
見慣れない模様となかなかの大きさだったこともあり、一瞬混乱してしまったが落ち着いて生息地から検討してみると、オオダイガハラサンショウウオかマホロバサンショウウオの亜成体で間違いなさそうだ。
サンショウウオの幼体・亜成体は姿カタチがそっくりなので種の判別が難しいことがある。
若干だが尻尾の先が扁平しているのでオオダイガハラかもしれないが、以前観察したオオダイガハラに似たイシヅチサンショウウオの亜成体とは雰囲気が違う。
種類にはあまり拘らないタイプなので、そのままにしておこうと思う。
その方が浪漫があって良い。
マクロの視点でポイント全体を見渡すとハコネサンショウウオ臭がプンプンしており、とても他のサンショウウオが生息しているとは思えない。
しかし逆にミクロの視点で謎のサンショウウオが見つかった周辺だけ見回すと、確かにサンショウウオが好きそうなガレ場が広がっていた。
組み合わせは無限大?大切な観点
今回の例を振り返るとまだまだ新しい組み合わせがありそうだ。
これはサンショウウオ探しにはとても大切な観点だ。
複数種類が生息している可能性を考慮して色々な環境を探索することで、見つかる可能性がグッと上がるからである。
サンショウウオ探しにおいては色々な観点、要は広い視野をもって探索に臨みたいものである。