前回の探索で実家をベースキャンプとして中部地方のサンショウウオを探索できる、という甘い汁の味を覚えてしまった筆者。今回はちょっと違う方角へ足を延ばしてみた。
種類は何でもよかった
自分の"サンショウウオレーダー"の感度を保っておきたい。目的はこれだけである。
「●●サンショウウオを見たい!」とか、そういう欲求はない。とりあえず、レーダーの感度を保っておきたい。これまで10年近く生き物観察を趣味としてきたが、こんな意味不明な欲求は初体験である。
ポイントを絞り込む
いつも通りの方法でなんとなくポイントを絞り込む。サンショウウオ探索においては、実はこの"絞り込み"のプロセスが一番面白いかもしれない。最も重要であり、最も腕が試されるプロセスなのだ。しかしなんとニッチな趣味だろう。毎度のことながらそう思う。
最短記録更新
のんびりと運転しながらポイントに到着。そしてやってくるデジャヴ。やはりサンショウウオが生息しているポイントには共通点が多い。どこかで見た風景が目の前に広がっていた。ポイントの絞り込みが大きくはハズレていない証拠でもある。
装備を整え、ふらふらとポイントへ。歩きながらサンショウウオの気持ちになって考える。
「今週は気温がぐっと下がったな」
「そろそろ繁殖期に向けて準備が必要なのかな」
・・・色々なことを考える。
そしてふと目の前に居座っていた岩がどうしようもなく気になる。そして手をかけた。
"ポイント到着時刻→サンショウウオ発見時刻"の最短記録樹立。
どうでもいい記録更新である。ここまで来ると自信を通り越して、呆れる。なんなんだこの能力は。友人曰く「履歴書に書けない無駄スキル」だが履歴書に書いてしまってもいいんじゃないだろうか。
最大記録更新
この時点でかなり満足ではあるのだが、せっかくここまで運転してきたわけだし、もう少し探索してみることに。
1匹目の発見から数分後。これまで出会ったヒダの中では間違いなく最大の個体を発見した。
斑紋の入り方も過去最高クラスの美しさ。ゴージャスすぎる。
名付けてヒダ・ゴールデンである。 特筆すべきはその大きさで、中サイズのイシヅチサンショウウオほどある。
(非常に元気の良い個体だったため発見直後は撮影もままならず、サンショウウオには悪いのだがしばらくキープしてから撮影させてもらった。)
龍が如く美しいヒダ・ゴールデン。ラーメンの丼に描かれていたとしても、オレンジ色のボールを7個揃えたら現れたとしても、違和感はあるまい。
二次会いっとく?
このポイントではいろいろと記録更新が相次いだわけだが、予想以上に時間が余ってしまった。せっかく来たのだから別のポイントも探索してみることに。ゆっくりと装備を片付け、再び車に乗り込むのだった。